1章
今日は交通事故で骨折した足が完治しないことを、不審に思い1週間前に大きな病院に行き検査を受けた。そして、その結果が分かるので、再び病院に行き先生に聞いた。
「先生、どうなんですか?」
どうやら膝に骨肉腫が見られます。と医師が伝えるとそのあとに「足の切断」とカルテをみて言った。
車椅子の少女は「そんなお金ありません」と、顔を伏せていう。
しばし入院することになった。
1か月経ち、再び検査を受けると骨肉腫は肝臓に転移し、さらに全身のあっちこっちにも転移していた。
それと同時に治療費は、大きく膨らんだ。
政府は、助成金の申請として「しばらく時間がかかる」といったが、医者はこのスピードでは余命はいくばくも無い、とも言われてしまった。
この時
私の余命あと、3か月。
そして私は、このとき政府の検体登録をした。
その内容は、私にとっては、肉体を次の人へつなげる研究に役立てるというものだ。
調べたら骨肉腫の研究はいまだに進んでいないので、この体を政府にあげると骨肉腫に悩む医者も役に立てると思ったからだ。
翌日にビルの屋上に行き、車椅子から松葉杖を使って屋上の淵に行く。
松葉杖を放り投げて、そのまま足を滑らすように落ちる。
ありがとうパパママ。と言って、静かに目を閉じる。
背中から地面に激突すると、一瞬にして意識を失う。
ここは?と目を覚ますと、真っ白い天井にシミのようにひとつのスピーカーがある、真っ白い部屋だった。
上体だけ起き上がると、少しだけ体がふらつく。
お目ざまですか。義体001。と天井のスピーカーから、声が聞こえてくる。
「はい、少し気分悪いですけ」
『まぁ、無理もないでしょう、体の97%を機械に置換させてもらいました』
「……そう。体を機械に」
「人に役立てるよね」
『もちろんだ』
そう。と言ってから再び眠りにつく。
再び目を覚ますと、見る景色は木の天井に変わっていた。
ベッドに腰掛けると、近くに置いてあった杖を持って、立ち上がろうとすると少しふらつがらも立ち上がることができた。
そして一歩ずつ一歩ずつと体に言い聞かせ部屋の扉に近づき、ドアノブを回すと前のテーブルには食事が並んでいた。
おはよう。新しい子だね。とエプロンを着た金髪の女性が、声をかけてくる。
はい、これからもよろしくお願いします。といって軽く会釈する。
「まぁお食べ」
はい。と言って席に着く。
「まぁ、これからもがんばってね」
はい。と席に座り箸と茶碗を持った状態でうなずく。
返事がよろし。とエプロンを着た女性は、ニコニコしていた。
「私はマリア。よろしくねフィーネちゃん」
「はいマリアさん、それとフィーネって私の名前?」
そうよ。とマリアという女性は笑った。
「ごはんを食べ終わったら、ちょっと外に出ようか」
「はいマリアさん」
「あと、マリアでいいわよ」
「はいマ…マ、マリア」
そういうとマリアは笑って、かわいいといって髪を撫でた。
食事は味が薄めで、病院食を連想させたがなかなかおいしかった。