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第二十一話 蒼と守り
決勝の舞台は、夜明け前だった。
薄明かりの空。
雲の切れ間から、蒼が覗く。
天空リング。
すべてをさらけ出す場所。
逃げ場は、ない。
ユウは、リングの中央に立っていた。
拳は、重い。
だが、迷いはない。
(……ここまで来た)
向かいに、リオが現れる。
白い道着。
銀髪が、静かに揺れる。
蒼い気配が、彼女の周囲を満たす。
「……やっとだな」
低い声。
「避けられなかった」
「……ああ」
ユウは、構える。
「ここは、譲れない」
風が、吹く。
環境が、静かに変わる。
雷雲が、集まり始めていた。
雷雨。
雷鳴破の威力が、増幅される。
リオに、圧倒的な有利。
「……環境は、味方する」
リオが、淡々と告げる。
「それでも、来るか」
「……来る」
ユウは、一歩、踏み出す。
開始。
雷が、落ちる。
――雷鳴破。
蒼い雷が、一直線に走る。
ユウは、横へ跳ぶ。
衝撃が、リングを震わせる。
(……速い)
だが、逃げない。
距離を詰める。
――心象拳。
拳が、蒼い気配に触れる。
弾かれる。
「……甘い」
リオは、動きを止めない。
――蒼閃裂破。
蒼い閃光が、交差する。
ユウは、受ける。
腕が、痺れる。
足元が、滑る。
(……それでも)
踏みとどまる。
「守る拳は……」
リオが、踏み込む。
「どこまで、耐えられる」
雷が、二人を包む。
天空リングで、
蒼と守りが、真正面から激突する。
勝敗は、まだ――
見えない。




