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追放された最強おっさん魔族、女勇者を鍛えていたら国が分裂! 最終課題「魔王にセクハラしてこい」でどうしてこうなった!?  作者: よん


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第94話 夜明けの双子星

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**【フェリシア視点】**


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ラゴマジョレに、秋晴れの朝が訪れた。フェリシアは、市庁舎の屋上に立っていた。セレスティナから戻って、一週間。街は、完全に活気を取り戻していた。破壊された建物も、ドワーフの職人たちの手で修復されている。市場には、商人たちの声が響いている。平和だ。本当の平和が、戻ってきた。


「お姉さま」ヴァルブルガが階段を上ってくる。「もう準備は整ったのじゃ」


「分かったわ」フェリシアは頷いた。「行きましょう」


今日は、復興祭の日。セレスティナとの講和を祝う式典。そして、新時代の幕開けを宣言する日。二人は、市庁舎を降りた。


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中央広場。人で溢れていた。ノヴァ・ステラの市民だけではない。連邦の国々からも、人々が集まっている。グルカ平原共和国の農民たち。タラッサの船乗りたち。ゴルン=アンヴィルのドワーフたち。銀森のエルフたち。ファウレンヘイムの獣人たち。レオニスの兵士たち。そして、アルカの市民たち。皆が、祝祭の雰囲気に包まれている。


広場の中央には、特設の舞台が作られていた。そこに、連邦の国旗が並んでいる。グルカの緑の旗。アルカの白の旗。タラッサの青の旗。ゴルン=アンヴィルの赤の旗。銀森の銀の旗。ファウレンヘイムの茶の旗。レオニスの金の旗。そして、中央に。ノヴァ・ステラの双子星の旗。金と銀の、二つの星。風に、翻っている。


「すごい人じゃのう」ヴァルブルガが呟く。


「ええ」フェリシアは微笑んだ。「皆が、平和を喜んでいる」


舞台に上がる。そこには、既に連邦の代表たちが集まっていた。ソロン議長。グルカ代表農場長。アストリッド女提督。バリン筆頭ギルドマスター。エルドリック大公。老狼グウィン。ヴァレリウス老王。そして、ドラーゲンと千景。アンブロジウス枢機卿も、そこにいた。


「フェリシア殿、ヴァルブルガ殿」ソロンが迎える。「お待ちしておりました」


「遅くなって申し訳ありません」フェリシアが頭を下げる。


「いや、時間通りだ」グルカが笑う。「さあ、始めよう」


ソロンが前に出た。広場が静まり返る。


「皆さん!」ソロンの声が響く。「今日は、歴史的な日です」「セレスティナとの講和が成立し」「大陸に、真の平和が訪れました」


歓声が上がった。拍手が、広場を満たす。


ソロンが続ける。「これは、一人の力では成し遂げられなかった。連邦の全ての国が、力を合わせた。その結果です」


グルカが前に出る。「連邦の団結は、史上最強となった」力強い声。「我々は証明した。多様性こそが、真の強さだと」


アストリッドが続く。「海路も、完全に平和になった。交易が、活発化している。これからは、繁栄の時代だ」


バリンが金槌を掲げる。「ドワーフの技術も、大陸中に広がる。皆で豊かになろう」


エルドリックが静かに言う。「銀森も、門戸を開く。長い孤立は、終わりだ。共に歩もう」


グウィンが咆哮する。「獣人も、人間も、エルフも、ドワーフも!皆が仲間だ!」


ヴァレリウス老王が頷く。「小国も、大国も。共に支え合おう」


そして、舞台の奥から。使節団が現れた。セレスティナからの使節。質素だが、誠実そうな人々。先頭に立つ老齢の外交官が、前に出る。


「ノヴァ・ステラの皆様」丁寧な口調。「そして、連邦の皆様」深く頭を下げる。「セレスティナ王国を代表して、和解と友好を願います」


「国王陛下からの親書を」箱を開ける。そこには、美しい装丁の書簡。そして、もう一つ。小さな鐘。銀色の、優美な鐘。


「これは、平和の鐘です」外交官が説明する。「セレスティナ王国の、誠意の証として。どうか、お受け取りください」


フェリシアが前に出た。鐘を受け取る。軽く、優しい音色。


「ありがとうございます」フェリシアが言う。「この鐘は、ノヴァ・ステラの宝とします。平和の象徴として」


ヴァルブルガも頷く。「セレスティナとの友好を、心から願うのじゃ」


広場から、大きな拍手が起きた。歓声が、空に響く。


アンブロジウスが前に出る。両手を広げ、祝福の祈りを捧げる。「神と人は、適切な距離を保ちつつ」穏やかな声。「共に歩むべき存在です。神は導き、人は選ぶ。それこそが、あるべき姿。この平和が、永遠に続きますように」


光が、アンブロジウスの周りに溢れる。優しい、温かい光。神々の祝福。


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その時だった。空が、変わった。真昼だというのに。双子星が、輝き始めた。金色の星。銀色の星。二つの光が、大地を照らす。


「双子星だ!」誰かが叫ぶ。「奇跡だ!」


市民たちが、空を見上げる。双子星の光は、優しく。まるで、祝福するように。広場の全てを、包み込む。


フェリシアとヴァルブルガは、手を繋いだ。


「お姉さま」ヴァルブルガが言う。「これからも、一緒じゃ」


「ええ」フェリシアは微笑んだ。「もちろん。ずっと、一緒よ」


二人は、双子星を見上げた。金と銀の光。勇者と魔王。相反するはずの存在が、共に輝いている。それが、新時代の象徴。


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**【視点切り替え:フェリシア → ドラーゲン】**


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ドラーゲンは、舞台の端に立っていた。千景が、隣に寄り添っている。


「良い式じゃな」千景が尻尾を揺らす。


「ああ」ドラーゲンは頷いた。「長い道のりだったが、報われた」


「これも、夫の導きじゃ」千景が嬉しそうに言う。


ドラーゲンは苦笑した。「俺は見守っていただけだ。あれは、フェリシアとヴァルブルガが成し遂げた。そして、連邦の皆が協力した結果だ」


千景は、ドラーゲンの腕に抱きつく。「謙遜するでない。夫がいなければ、こうはならなかったのじゃ」


ドラーゲンは、フェリシアたちを見た。双子星の下で、手を繋ぐ二人。成長した。本当に、成長した。もう、俺がいなくても大丈夫だろう。


その時、広場の一角に若い女性が通りかかった。金髪の、可愛らしい娘。おそらくアルカの市民だろう。ドラーゲンの視線が、無意識にそちらに向く。(おっ、なかなか...)


だが、その瞬間。千景の九尾が、ドラーゲンの腰に巻きついた。ギリギリと。「あががが」ドラーゲンが声を漏らす。


「夫」千景が冷たい声で言う。「今、どこを見ておったかのう?」


「い、いや、別に...」


「嘘はいかんのじゃ」千景の尻尾の力が強まる。「あの金髪の娘を見ておったじゃろう」


「誤解だ!」ドラーゲンが弁解する。「ただ市民を眺めていただけで...」


「ほう」千景の目が、細まる。「では、なぜ口元が緩んでおったのじゃ?」


「それは...」言い訳が、続かない。千景の尻尾が、さらに締め付ける。「ぐっ...」


「夫よ」千景が耳元で囁く。「わらわがおるのに、他の女を見るとは。いい度胸じゃのう」


「す、すまん...」ドラーゲンが降参する。「二度としない、約束する...」


「本当じゃな?」


「本当だ」


千景の尻尾が、ようやく緩んだ。「分かればよろしい」機嫌を直して、また腕に抱きつく。「夫はわらわのものじゃからのう」


「ああ...」ドラーゲンは深いため息をついた。(以前の俺なら、こんな...)


昔だったら、千景の制裁も軽く受け流していた。むしろ、そのやり取りを楽しんでいた。だが、今は違う。千景の束縛が、年々強くなっている気がする。いや、俺が弱くなったのか?それとも、千景が強くなったのか?(どうしてこうなった...)心の中で呟く。だが、文句は言えない。それが、恐妻家というものだ。


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**【視点切り替え:ドラーゲン → フェリシア】**


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フェリシアは、舞台の端を見た。ドラーゲンと千景が、何やら揉めている。千景の尻尾が、ドラーゲンに巻きついているようだ。


「...相変わらずね」フェリシアは苦笑した。


「お姉さま、何を見ておるのじゃ?」ヴァルブルガが尋ねる。


「ドラーゲンさんと千景さん」フェリシアが指差す。「また、師匠が何かやらかしたみたい」


「ああ」ヴァルブルガも笑った。「ドラーゲンも、千景には頭が上がらぬのじゃな」


「ええ」フェリシアは微笑む。「以前はもっと自由だったのに。すっかり、恐妻家になってしまった」


二人は、その光景を見守る。強大な力を持つドラーゲン。だが、千景の前では頭が上がらない。それが、微笑ましかった。そして、安心した。師匠も、変わらず元気だ。いつも通りだ。


「お姉さま」ヴァルブルガが手を握る。「わらわたちは、これからどうするのじゃ?」


「決まってるわ」フェリシアは微笑んだ。「ノヴァ・ステラを、もっと良い国にする。そして、連邦と共に、平和を守る。それが、私たちの役目」


ヴァルブルガが頷く。「うむ!わらわも、頑張るのじゃ!」


二人は、舞台に戻った。そこでは、代表たちが輪になっている。東西南北、全ての国の代表。ソロンが、中央に立つ。


「さあ、皆で手を繋ごう」全員が、手を繋ぐ。グルカ、アストリッド、バリン、エルドリック、グウィン、ヴァレリウス。そして、フェリシアとヴァルブルガ。セレスティナの使節も、加わる。大きな輪。


「平和を誓おう」ソロンが言う。「多様性の中の団結を。共に歩むことを」


全員が、声を合わせた。「誓います!」


その時、千景の声が響いた。空から。「祝いじゃ!新時代の幕開けじゃ!」妖術の花火が、空に打ち上がる。赤、青、緑、金、銀。無数の色が、空を彩る。美しい。平和の花火。


広場の市民たちが、歓声を上げる。「きれいだ!」「素晴らしい!」子供たちが、喜んで跳ねる。


アンブロジウスが、最後に言った。「強き者が弱き者をいたわり。多様性が調和を生む。この平和が、永遠に続きますように」


双子星の光が、一層強まった。金と銀の光。それが、広場の全てを包み込む。温かい光。希望の光。


フェリシアは、その光の中で思った。長い戦いだった。でも、終わった。本当に、終わった。そして、始まった。新しい時代が。勇者と魔王が、共に歩む時代。多様性が、調和を生む時代。平和が、当たり前の時代。それを、私たちが作っていく。


フェリシアは、ヴァルブルガの手を強く握った。「ヴァルブルガ」


「何じゃ、お姉さま?」


「ありがとう。一緒にいてくれて」


ヴァルブルガは、涙を流して笑った。「わらわこそ、感謝じゃ。お姉さまがいてくれて。わらわは、幸せじゃ」


二人は抱き合った。姉妹のように。いや、本当の姉妹以上に。共に戦い、共に生きる。それが、二人の絆。


花火が、空に咲き続ける。双子星の光が、大地を照らし続ける。広場の歓声が、止まない。平和が、そこにあった。本当の平和が。


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夕暮れ。式典は終わり、人々は家路についた。フェリシアとヴァルブルガは、港に立っていた。海を見ている。静かな波。秋の夕日が、海を赤く染めている。


「綺麗じゃのう」ヴァルブルガが呟く。


「ええ」フェリシアは微笑んだ。「平和な景色ね」


二人は、しばらく黙って海を見ていた。風が、髪を揺らす。気持ちいい風。


「お姉さま」ヴァルブルガが言う。「わらわ、思うのじゃ」


「何を?」


「この平和は、永遠には続かないかもしれん」ヴァルブルガが真剣な表情で言う。「また、いつか問題が起きるじゃろう。でも、その時も、わらわたちは一緒に戦う。そして、また平和を取り戻す。それを、繰り返していくのじゃ」


フェリシアは頷いた。「そうね。完璧な平和なんて、ないのかもしれない。でも、それでいい。大切なのは、諦めないこと。何度でも、立ち上がること。共に歩き続けること」


ヴァルブルガが笑った。「さすが、お姉さまじゃ。わらわと同じこと考えておった」


二人は、また手を繋いだ。空を見上げる。双子星が、そこにあった。金色の星。銀色の星。二つの光が、寄り添うように輝いている。


「あれが、私たちね」フェリシアが言う。


「うむ」ヴァルブルガが頷く。「お姉さまがフェル。わらわがヴァル。二つで一つの、双子星じゃ」


夜が訪れる。星々が、空に瞬き始める。双子星は、その中で一際明るく輝いていた。


フェリシアとヴァルブルガは、港を後にした。市庁舎へ戻る。明日からも、仕事が待っている。国を治める仕事。平和を守る仕事。それが、二人の役目。


だが、もう恐れはない。共にいるから。仲間がいるから。連邦があるから。だから、大丈夫。どんな困難も、乗り越えられる。


夜明けは、もう訪れた。双子星の夜明けが。新しい時代の夜明けが。その光は、きっと永遠に輝き続けるだろう。フェリシアは、そう信じていた。


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**【視点切り替え:フェリシア → ドラーゲン】**


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広場の端。ドラーゲンは、千景に絞められていた。九尾が腰に巻きついて、ギリギリと。「すまん...二度としない...」降参の声が、口から漏れる。


連邦の代表たちが、遠くから苦笑している。「あの二人も、相変わらずだな」グルカの声が聞こえる。


「良い光景じゃ」ソロンも頷いている。「平和だな」


(平和...か)ドラーゲンは心の中で呟いた。(確かに、平和だ。戦争は終わった。新しい時代が、始まった)


勇者と魔王が共に歩む時代。多様性が調和を生む時代。そして——


(最強おっさん魔族が恐妻家として生きる時代...)


千景の尻尾が、また締め付けてくる。「夫、何をぼんやりしておるのじゃ?」


「いや、何でもない...」


(どうしてこうなった...)ドラーゲンは、深いため息をついた。


かつては、大陸最強と恐れられた。影の支配者として、自由に生きていた。それが今や、妻の監視下で一挙手一投足を見張られる日々。他の女性を見ることすら許されない。完全に、枷に繋がれた。


その時、広場の向こうから二人の若い女性が歩いてくるのが見えた。セラフィナとアウローラだ。質素な修道服を着た、清楚で可憐な娘たち。夕日に照らされて、まるで天使のよう。


(おお...)ドラーゲンの目が、無意識に輝いた。(若くて可愛い娘たちじゃないか...)


フェリシアを育てた時も、下心があった。あわよくば良い関係に...と。だが、フェリシアはヴァルブルガにくっついてしまった。ならば——


(今度こそ...!)ドラーゲンは、二人に近づこうと一歩踏み出した。「やあ、セラフィナ殿、アウローラ殿。お疲れ様—」


だが、その瞬間。


九尾が、ドラーゲンの全身に巻きついた。ギリギリギリと。「ぐおおおお!?」


「夫」千景の声が、恐ろしく低い。「どこへ行こうとしておったのじゃ?」


「い、いや、挨拶を...」


「挨拶?」千景の目が、細まる。「では、なぜ目が輝いておったのじゃ?なぜ口元が緩んでおったのじゃ?」


「そ、それは...」言い訳が、続かない。


千景の尻尾が、さらに締め付ける。「夫よ。わらわがおるのに、若い娘に手を出そうとするとは」声が、氷のように冷たい。「いい度胆じゃのう」


「す、すまん...!二度としない...!」


「何度目の『二度としない』じゃ?」


「.........」


遠くでセラフィナとアウローラが、心配そうにこちらを見ている。だが、近づこうとはしない。賢明な判断だ。


双子星の光が、その全てを照らしている。優しく、温かく。そして、容赦なく。


(やっぱり、どうしてこうなった...)ドラーゲンは、千景の尻尾に絞められながら、心の底から呟いた。


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**『追放された最強おっさん魔族、女勇者を鍛えていたら国が分裂!最終課題「魔王にセクハラしてこい」でどうしてこうなった!?』**


**完**


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