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追放された最強おっさん魔族、女勇者を鍛えていたら国が分裂! 最終課題「魔王にセクハラしてこい」でどうしてこうなった!?  作者: よん


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第73話 40年の恨み、誤解の襲撃

## 【フェリシア視点】9-5 40年の恨み、誤解の襲撃



千景が土埃まみれで立ち上がった。


狐耳が怒りで逆立っている。


「ドラーゲン!見つけたぞ!」


---


**【視点切り替え:フェリシア → 千景】**


---


千景の心は怒りで満ちていた。


40年——いや、正確には40年だ。長い時間をかけてやっと見つけた。そして目の前の光景が、怒りに油を注ぐ。


ドラーゲンが観念したように溜息をついた。


「やれやれ、とうとう追いつかれたか」


千景が鼻をひくひくさせて、フェリシアとヴァルブルガを睨んだ。


「こやつら...ドラーゲンの匂いが染み付いておる!浮気相手か!?若い女を二人も!」


---


**【視点切り替え:千景 → フェリシア】**


---


フェリシアは困惑した。


「浮気?私たちは師匠の弟子ですが...」


千景の怒りが爆発した。


「弟子じゃと!?それが一番怪しい!40年前、わらわの求婚から逃げた時に言ったな。『若い女の子が好み』と!やはり若い女と戯れておったか!」


ヴァルブルガが驚いた。「求婚?師匠に?」


ドラーゲンが慌てた。「違う!あれは断る口実で...」


千景が聞く耳を持たなかった。全身から強大な妖力が溢れ出す。


体が巨大化していく——10メートル、20メートル、30メートル。


巨大な九尾の狐が、野外テラスを完全に覆い尽くした。


「言い訳無用!40年分の恨み、晴らさせてもらう!」


グルカが即座に判断した。「全員避難!これは天災級だ!」


オークの戦士たちが市民の避難誘導を開始した。


千景の尻尾が振り上げられる——建物を叩き潰そうとした、その時。


ドラーゲンが影から飛び出した。


「待て、千景!街を壊すな!」


ドラーゲンが千景の前に立ちはだかる。「話があるなら、俺と二人でしよう。弟子たちや街の人間を巻き込むな」


千景が尻尾を止めた。「ほう、やっと覚悟を決めたか」


「ああ。ついてこい」ドラーゲンが影魔法で街の外へ飛んだ。


千景が巨大な狐の姿のまま、ドラーゲンを追って街の外へ駆け出す。


---


**【視点切り替え:フェリシア → ドラーゲン】**


---


ドラーゲンは街の北、緑牙平原の荒野へ千景を誘導した。


(ここなら街への被害はない)


千景が追いついてきた。巨大な九尾の狐が、月明かりに照らされている。


「逃げるつもりか!?」


「逃げない」ドラーゲンが振り返った。「ただ、街を巻き込みたくないだけだ」


千景の後ろから、フェリシアとヴァルブルガが追いついてきた。


「師匠!」


「一人で行かせるものか」ヴァルブルガが竜化している。


---


**【視点切り替え:ドラーゲン → 千景】**


---


千景が鼻で笑った。


「結局、弟子を連れてくるか。わらわと二人きりになるのが怖いのか?」


フェリシアが前に出た。「まず、誤解を解かせてください。私たちは師匠の弟子です。恋愛関係ではありません」


千景が鼻で笑った。「ふん、その割には随分と親密そうじゃな」


ヴァルブルガが言った。「親密なのはわらわとお姉さまじゃ!師匠は...その、正直、女性の扱いが下手じゃ」


千景が一瞬動きを止めた。


「下手...確かにそうじゃったな」


確かに、ドラーゲンは女性の扱いが下手だった。だがそれがかえって愛しくもあった。


しかし、すぐに首を振った。


「だが許さぬ!まず小娘どもから片付ける!」


---


**【視点切り替え:千景 → フェリシア】**


---


千景の尻尾が地面を叩いた。衝撃波が荒野に広がる——しかし、ここには建物も人もいない。


フェリシアは覚悟を決めた。話し合いは無理——ならば、力で止めるしかない。


「ヴァルちゃん」


「お姉さま」


二人が顔を見合わせた。「師匠を守りましょう」


フェリシアが光の剣を構えた。ヴァルブルガが竜の咆哮を上げた。


千景が嘲笑った。「ふん、小娘二人がかりでも、千年生きたわらわには敵わぬ。せいぜい足掻くがよい」


フェリシアは内心で愚痴った。


(師匠のせいでとんだとばっちり!)


千景の妖狐火が、フェリシアめがけて飛んできた。


フェリシアが障壁で防ぐ——しかし、炎の威力は想像以上だった。


「くっ...千年級の妖怪は、格が違う...」


ドラーゲンが助けに入ろうとした。しかし千景が妨害した。


「お主は後じゃ!まず小娘を片付ける!」


フェリシアは歯を食いしばった。


千景の九本の尻尾が、月光に照らされて不気味に揺れていた。


緑牙平原の荒野で——街から離れた場所で——戦いが始まった。


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