2-13 子供たちの初陣
「俺は反対だ」
田村さんの低い声が、会議室に響いた。
全員の視線が田村さんに集中し、会議室は、再び張り詰めた沈黙に包まれた。
「あの……田村さん?」
桐島博士が困惑したような顔で呟く。VR訓練を勧めたのは田村さんだったのに、なぜ反対するのだろうか。俺もみんなも戸惑っている。
田村さんは重い表情で、ゆっくりと話し始めた。
「確かに、俺が子供たちにVR訓練をさせた。あれは俺の判断だ。いつかは、あの子たちも魔物と戦うことになる。それなら、早めに始めて徐々に慣れさせた方がいいと考えたからだ。だが、VRで戦闘をさせるのは反対だ」
田村さんは、真剣な目で桐島博士に説明する。
「VRだと、実際の銃の反動やリアルな魔物を知らないままで、簡単に討伐できると勘違いする。その感覚のままゲーム感覚で魔物に近づいて、大怪我をしかねない。現実はVRと違って失敗すれば死んでもおかしくないんだ」
なるほど、その通りだ。俺も田村さんの意見に頷く。VRでは痛みも反動も恐怖も体験できない。死んだらリセットして再挑戦するだけだ。
桐島博士は神妙な表情で田村さんの話を聞いていたが、きっぱりとした口調で話し始めた。
「田村さんの危惧は理解しました。すでに莉子は『自分は強い』と勘違いしていますし、悠真は魔物に対して『かわいいワンチャン』と近づきかねません」
確かに、莉子ちゃんは負けず嫌いで勝気だ。悠真君は魔物を「ワンちゃん」と呼んでいる。どちらも危険な兆候だ。
「ですが、中型魔物が出る前に子供たちの物質化も10種にしたいのです。先日も言いましたが、私は子供より先に死にます。この変わってしまった世界では、いつ何が起こるかもわかりません。その時に、物質化できる食料の種類が多ければ、それだけ生存率があがります。子供たちに本物の拳銃で魔物討伐させても構いませんので、どうか二人に1000ポイント獲得させてください」
桐島博士は、もう一度、深く頭を下げた。決意は固そうだ。母親としても、研究者としても、この判断が必要だと考えているのだろう。
レオさんが冷静に意見を述べる。
「中型魔物が出る前の方がいいという意見には、私も賛成です」
「よし、わかったよ」
田村さんが頭を掻きながら立ち上がる。
「確かに中型魔物が出る前の方がいい。なら、明日、二人に1000ポイントを稼がせるための準備をしよう」
みんなの表情が引き締まる。6歳の子供たちの初陣。準備に手は抜けない。
その夜、俺たちはそれぞれの専門分野で準備を進めた。みんなの部屋から工作音や物音が夜遅くまで聞こえていた。
翌朝、まずは会議室に集合し、俺たちがモノリスでポイント稼ぎした時の動画を、莉子ちゃんと悠真君に見せた。車でロープを引くと地面が盛り上がって魔物が湧きだす。それをグロックで撃つ。10秒もかからずにまたロープを引く。子供たちは、ワクワクしながら映像を見ていた。
次に、玄関ホールで、子供たちに戦闘装備を着せ始めた。
最初は、俺たちと同じような装備にはしゃいでいたが、一つ一つの説明を受けるたびに、少しずつ緊張していく。
「戦闘用のヘルメットはサイズがないから、普通のヘルメットで我慢してくれ。頭の怪我が一番怖い。お母さんでも治せない怪我になる」
田村さんが莉子ちゃんの頭に、青い子供用の自転車ヘルメットを被せる。
「ヘッドセット、マスク、ゴーグル、グローブはサイズが合うはずだ。どんなに苦しくても、絶対に外したらダメだ。魔物の体液がかかると、怖い病気になることがあるんだ」
小さなヘッドセットやマスクを、桐島博士が確認しながらしっかりと装着させていく。
「靴は今から新しいブーツを履く方が危険だから、普通の運動靴でいこう」
座らせて、足首をテーピングし、靴には防水スプレーを何度もかける。
「ベストは作ってきました」
桐島博士がそっと小さなベストを取り出した。
それは、俺たちが着ているベストを小さくしたような、とても手の込んだ代物だった。ポケットの配置から色合いまで、完璧に模倣されている。
「え……桐島博士がこれを?」
俺は、おもわず驚きの声を上げた。
「備蓄にない陽菜乃ちゃんたちの服は、桐島博士の手作りだったんですね」
「えぇ、まぁ……莉子が好みにうるさくて、裁縫を覚えたんです」
桐島博士が控えめに答える。みんなの驚きの表情を見て、少し慌てたように付け加える。
「そんなに難しいことではありません。誰でもできますから」
「すげぇ……プロ並みの仕上がりじゃねぇか」
田村さんが手に取ってあちこち引っ張って、頑丈さを確認して感心している。
続いて、田村さんが自分の準備したものを取り出した。
「俺は、衝撃吸収材を工夫した手首と肩の保護プロテクターを作ったぞ」
小さなプロテクターが、二人分用意されている。内側にはジェル状のパッドが仕込まれていて、かなり本格的だ。
「私は、反動を少なくさせるための火薬を減らした弾丸を作成しました」
レオさんがマガジンが詰まったケースを見せる。
「通常弾の60%の火薬量です。威力は十分で、反動は軽減されています」
「これを一晩で?」
「いえ、前々から少しずつ用意していたんです」
なるほど、そういう方法もあるのか。レオさんらしい論理的な補助だ。
「俺は、ドローンとスイーパーを増やしました。子供たちが戦闘する場所から半径800mは、完全に監視カメラの死角が無いはずです」
みんなに比べたら、独創性にはかけるが、大事なことだと思う。
そして予想通り、陽菜乃ちゃんが一番すごかった。
「じゃーん、見て見て~! ルーフキャリアに、『怖くないもん1号』を固定したんだよ。タブレットから2挺を操作できるようにして、車も遠隔操作できるように改造したの。ロープを引くために乗り込む必要もないよ~」
外に出ると、4WD車2台の屋根にアサルトライフルが搭載されていた。まるで軍用車両のようだ。
「それとね、自動迎撃システムは、発信機ペンダントが射線上にあったら、絶対に味方を撃たないシステムにしたから安心して」
陽菜乃ちゃんが、以前の発信機より、少し分厚くなったペンダントを配る。
「みんな、これと交換してね。新しいバージョンなんだ~。あと、射線もわかりやすくしたからね!」
田村さんが驚きながら聞く。
「射線がわかる? 視認できるのか!?」
「うん! 緑のレーザーが地面に線を引くから、そこに入らなければ大丈夫。もし入っちゃっても、ペンダントがピーピー鳴って振動するし、ゴーグルにも警告が出るよ。システムも撃たないから二重に安全!」
「軍事レベル以上の安全装置ですね。さすがです」
レオさんが感心したように頷く。
「莉子ちゃんと悠真君のためだからね~!」
陽菜乃ちゃんが得意そうに胸を張る。
すべての準備が整った。みんなが、子供たちのために、最善の準備をしたのだ。
俺たちは、まず安地になっている大型倉庫の裏に向かった。
「二人とも、まずは、これを見てくれ」
田村さんが倒れているモノリスを指差す。
「これがモノリスだ。魔物はこれから湧いてくる。近づく時は十分注意しろ」
二人は真剣な表情でモノリスを見つめていた。
続けて、近くの木に的を付け、最初の実弾射撃をさせる。ヘッドセット無しのスパルタ実習だ。
「最初はこうやって構えて……」
田村さんが莉子ちゃんに拳銃の構え方や呼吸を教える。
パン!
初めての実弾の音と反動に、莉子ちゃんが一瞬びくっとする。
「うわっ……すごい音……」
「僕もやる~!」
悠真君も同じように反動に驚いていた。
しかし、田村さんのプロテクターとレオさんの弾丸のおかげで、身体への負担は思ったより少ないようだ。音も少し小さい。ヘッドセットをさせると、二人はすぐに慣れて、5mの距離から的に当てられるようになった。
「莉子ちゃん、悠真君、すごいじゃねぇか!」
田村さんが褒める横で、俺は少し複雑な気分だった。俺、5mで合格したのは二日目だったのに。俺も火薬が少ない弾丸にしたいと、大人げなく考える。
「よし、身体に問題ないか確認するぞ」
桐島博士が駆け寄って二人の身体を触診し、耳や目の調子を聞く。
「大丈夫です。問題ありません」
もうしばらく、実弾射撃を続け、10mでも、すぐに5割は当たるようになった。
一度、飲み物を飲んで休憩してから、いよいよ電気柵外へ向かう。
AIアリスによるモノリス位置予想と、探知機 『見つけちゃうぞ1号』 ですぐにモノリスを発見すると、しっかりと準備を始めた。
ドローンとスイーパーをセットし巡回を開始させ、周囲の魔物を先に大人が倒す。
それから、俺は引き続きUZIを持って周囲の警戒だ。ゴーグルに映す地図を広域に設定して、近寄ってくる魔物がいないか常に見張る。
陽菜乃ちゃんが遠隔操作で車を動かしてモノリスに力を加える係。いざという時は、車の迎撃システムで援護射撃もする予定だ。
田村さんとレオさんは子供たちの傍でUZIを構えて安全確保の係。桐島博士は子供の一人と車で待機だ。
準備が整うと、まず莉子ちゃんがポイント稼ぎを開始した。
「陽菜乃ちゃん、車を動かして」
陽菜乃ちゃんがタブレットを操作すると、車がゆっくりと動き出す。ロープにテンションがかかると、地面が5か所盛り上がった。
「莉子ちゃん、落ち着いて。さっきと同じようにやれば大丈夫だ」
田村さんが優しくアドバイスする。
地面から黒い塊が這い出してくる。塊は大きくなって変形し小型魔物になった。実際の魔物を目の前にした莉子ちゃんが、一瞬固まった。
「うわっ……」
VRとは全く違う、リアルな恐怖が襲いかかる。小さめのゴールデンレトリバーくらいの大きさだが、全身が真っ黒で涎がダラダラと垂れている口には、鋭い牙が光っている。
「莉子ちゃん、大丈夫だ! 狙いを定めて撃て!」
田村さんの声で我に返った莉子ちゃんが、動揺しながらも2体の魔物を撃った。残りの3体はレオさんが瞬時に倒す。
「うっ……マスクしてても臭いし、気持ち悪い……」
莉子ちゃんの正直な感想に、みんなが苦笑する。確かに魔物は臭いし、VRの魔物の映像より邪悪な雰囲気がある。
「でも、2体も倒せたぞ。よくやった。よし、続けようか」
田村さんが励ますように言うと、莉子ちゃんは力強く頷いた。
車を動かしポイント稼ぎを続ける。5回目から、莉子ちゃんは盛り上がった土から魔物が現れる瞬間を次々と狙い、一人で5体を倒せるようになった。
「やったー! 全部やっつけた!」
莉子ちゃんの顔に、達成感の笑顔が浮かんだ。
15分で7回が終わった時点で、悠真君と交代する。莉子ちゃんは車の中で桐島博士と一緒に休憩だ。
「僕の番だね! ちゃんと車から見てたからね!」
悠真君は、最初から魔物を5体倒すことができた。
「ワンちゃん、近くで見るとあんまりかわいくないね」
悠真君の感想に、またみんなが苦笑した。
15分交代で、1時間半かけてモノリス1個から50回魔物を湧かせ、二人ともポイントを350近く稼いだ。順調に次のモノリスへ移動する。
二個目のモノリスも順調に攻略し、一度、事務棟まで戻って、外でお昼ご飯を食べることにした。
「除染するのが面倒だから、魔物討伐の時は、基本的に外で食事や休憩をするんだ」
田村さんが説明すると、二人は大喜びした。
「わーい! 外で食べるの、憧れてたー!」
「いつも事務棟の中から見てて、いいなぁって思ってたんだよ~」
魔物の体液などは何も浴びていないが、除菌スプレーと除菌シートで念入りに顔周りや手を消毒してから、レオさんが用意してくれたサンドイッチを食べた。
午後のポイント稼ぎを再開して、順調かと思われた時だった。
俺が見ていたゴーグルの地図に大きなバツ印が現れ、それがこちらへ近づいてきていた。大きなバツ印が移動するにつれ、周囲の小さなバツ印が合流していく。
「レア種が近づいてきてます! 距離800m!」
俺の声が緊張に震えた。
「子供たちと博士は車に避難! 陽菜乃も車の中に避難して迎撃システムを起動!」
田村さんが叫ぶ。
「リロードが必要だから、屋根に上がる!」
陽菜乃ちゃんは後方の梯子から車の屋根に上がって構えた。
田村さんとレオさんと俺はUZIを構える。
「距離700、600、500」
ヘッドセットを通じて距離を伝える。500m以内になると、ゴーグルの地図を詳細に切り替える。
「レア種2体、ノーマル種30体の群れです!」
田村さんから、即座に全員に指示が飛ぶ。
「第1段階、300~50mは、俺と陽菜乃のM4でノーマル種を殲滅。陽菜乃、遠すぎて当たらないなら無理するな。200mからでいい」
「りょーかーい!」
「第2段階、50mまで来たら、レオ、左のレア種にUZIで3点バースト。レオがリロードになったら、俺がUZIで引き継ぐ。30mからフルオートだ」
「了解です」
「その間、陽菜乃と神崎は右のレア種の足止め。交互にリロードして、絶対に接近させるな」
「はい!」
「左を倒したら全員で右に集中。神崎は、全員のリロードが重なった時の足止め待機」
俺は、足止め専門だ。それなら集中できる。
「距離は私が伝えます。神崎さんは戦闘に集中してください」
ヘッドセットから桐島博士の落ち着いた声が聞こえてきた。
「いけますね。交互射撃なら30秒で200発は撃ち込めます」
レオさんも冷静だ。手探りでマガジンの位置を確認する。
「距離300」
戦闘が始まった。
陽菜乃ちゃんの『怖くないもん1号』が予想通りと言うか、予想以上というか、とにかく優秀で、300mから次々とノーマル種を倒していく。0.5秒先の動きを予測して照準を調整すると言っていたが凄すぎた。後で聞いたところ、陽菜乃ちゃんが四分の三の小型魔物を倒したらしい。
俺は戦況を確認しようと、魔物の方を見たまま後退した時、緑色のレーザーラインを横切ってしまった。すぐに胸元のペンダントが振動し、ゴーグルの左上に 『射線進入』 と赤文字の警告が点滅した。
「っと、やべ!」
慌てて横に飛び退く。直後、レーザーラインの向こうで小型魔物が倒れた。陽菜乃ちゃんの安全装置は子供たちだけでなく、俺にも超有効だった。
「距離100」
100mの時点でノーマル種を完全に殲滅。
「気を抜くな! レオ、左からバースト開始」
田村さんの檄が飛ぶ。
予定より早く、100mからレオさんがUZIのバーストで左側のレア種への攻撃を開始。
俺と陽菜乃ちゃんは、右側の足止めを狙う。陽菜乃ちゃんの「リロード!」という声が聞こえ、俺はできるだけ足元を狙う。3発ずつ指切りをしてバースト射撃をするつもりが、たまに2発になったり4発になったりする。だが、気にしたら負けだ。レア種は弾が当たっても前進してくるが、その速度は遅くなる。俺たちが足止めしている間に、レオさんと田村さんの息の合った連携で、左側が倒れた。
「距離30!」
フルオートに切り替え、続けて右のレア種へみんなが一斉に攻撃を始めた。俺は、みんなのリロードが重なった時の足止めのために撃たずに構えて待つ。が、出番なし。
結局、余裕を持ってレア種2体の群れが殲滅できた。
車の中にいた子供たちは、目の前で起こった戦闘とヘッドセットを通して聞こえる緊迫した指示に驚いていたが、全てをしっかりと見守っていた。
「どうする? 疲れたなら、今日は終わりにしようか」
田村さんが優しく聞くと、二人ともしっかりと田村さんの目を見て答えた。
「「やる!」」
今までどこか遊びの延長線上のようにやっていたポイント稼ぎに対して、二人の姿勢が変わった。無駄口はなくなり、5体を倒し終わっても、田村さんが「よし」と言うまで姿勢を崩さなくなった。自分から弾数を確認し、マガジン交換も田村さんに任せずに自分でやり始めるようにもなった。
二人とも3つ目のモノリスで、無事に1000ポイントを達成した。
桐島博士が、本当に嬉しそうに子供たちに声をかけていた。
桐島博士と子供たちは先に帰して、中型が湧く明日までにモノリスの数を減らしておこうと話していると、子供たちも続けたいと言う。田村さんが、「出番はねぇぞ?」と言うが、それでもいいと言うので一緒に周ることになった。その後はUZIでモノリスを倒して魔物を1回だけ湧かせる方法で、モノリスを20個近くも倒した。
除染まできっちりと子供たちに教え込み、2階のラウンジでリラックスタイムをみんなで満喫している時に、田村さんが笑顔で告げる。
「結果として、中型魔物のいい練習になったな」
これから、子供たちには護身のためにもグロックの練習をさせようかという話になり、陽菜乃ちゃんが提案する。
「『怖くないもん2号』を子供たち用に作ろうかな? 事務棟からもタブレットで狙撃できるようにしたらいいし。あ、自動リロード装置を作る方が先かぁ」
田村さんはしばらく考えて、決意を込めた表情で言った。
「陽菜乃ちゃん、できたら、ショットガンとM240機関銃の自動迎撃システムを作ってもらえねぇか?」
「照準と射撃部分だけなら問題ないけど……うーん、さすがに車を固定できないと反動がきつくない?」
「フレコンバッグを海洋投棄する時のトラックならアウトリガーで車を固定できるんじゃないですか?」
「あれだと、道路しか移動できねぇからなぁ。中型レア種が気になるんだよ。小型もノーマルとレアで難易度が段違いだし、俺たちの弱点は人数の少なさだからな」
「とりあえず、山小屋拠点に固定ならできそうかも? リニアスライド式にして油圧ダンパー付ければ吸収できると思う。実験してみないとわからないけど、面白そう~!」
また、なんかすごいのを作ってくれそうだ。
18時になり、また、頭の中に機械音が流れた。中身は掲示板で知っていたので、みんな驚かない。子供たちは、アナウンス合わせてロボットダンスを始める始末だ。今日の掲示板は、アナウンスの意味の解釈でずっと盛り上がっていた。
『全人類ヨ……注目セヨ……』
毎晩のように獲得ポイントのアナウンスも聞いているが、何度聞いても不思議な感覚ではある。
『明日ヨリ……新タナ魔物ガ……出現スル……』
機械音が、ゆっくりと情報を告げていく。
『中型魔物……出現……警戒セヨ……現在ノ魔物モ……進化スル……以上……健闘ヲ祈ル……』
そして、音声は途切れた。
莉子ちゃんと悠真君の初陣は終わった。明日から、さらに厳しい戦いが待っている。




