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ゲブラさんのどうでもいい日常

I君の話

作者: エンゲブラ

小学生時代の話。


同級生のひとりにI君という小太り~大太りの少年がいた。

I君は小5の春に転校してきた坊主頭。

頭は良いが、少し変わった少年でもあった。


ある土曜日。

半日だけの学校(※2002年4月にて終了)の帰りに、I君の家へ。


二階に上がると、真っ裸の男女が床布団の上で寝ており、「踏まんといてな」とだけ言われ、奥の部屋へ(おそらくは両親)。

しばらくいっしょにゲームをしていたら「飽きたからゲーセン行こっか」と言い出すI君。


彼のいうゲームセンターは、彼の家からは至近の距離。ペットショップと民家をはさんだ、わずか3軒隣の場所にあった。


先に1階に降りると、彼が何やらもたついて、なかなか降りてこない。

「何やってんねん、はよ行くぞ!」

「ごめん、もうちょい待って……あ、あった!」

何を探していたのかと思えば、自転車のカギである。

「え、ゲーセンの後、どっか行くん?」

「いや、ぜんぜん」

「じゃあ何でチャリがいるねん、この距離で」

「だって、ダルいやん」

「お前が太ってんの、そういうとこやろ!」

大体は、こんな会話をしたと記憶している。


このエピソードを細かく覚えているのは、もちろん筆者の記憶力が非常に良いからではなく、この話でさんざんI君のことをいじり倒してきたからである。もちろんイーブンになるくらいには、I君の方からも筆者の恥ずかしいエピソードの披露があったので、お互い様だ。


―― さて、なぜ急にI君のことを思い出したのか。


それは今しがた行ってきた家の近くのコインランドリーでのこと。

会話はしたことがないが、十代の頃から見覚えのある男がいた。


アイルランドあたりの顔立ちのハーフで、学生の頃は非常に美少年だったと記憶している。そんな彼も、今や見る影もないくらい、でっぷりとしており、見かけるたびに「もったいないなぁ」と勝手に思ってもいた。


彼もコインランドリーからは至近のマンションに住んでおり、本日めでたく遭遇。大した量でもない洗濯物をやはりチャリで運んできていた。


「駐輪場に行ってチャリ出してここまで来るのと、ここまでそのまま手で運ぶのと、どっちが面倒やねん」そんなことを考えていると思い出したのが、I君というわけである。



I君といえば、もうひとつ。

二十歳前後になる頃、ようやく色気づいたのか、ダイエットしたという噂を耳にし、見学に。本当に20~30kg近くのダイエットに成功しており、見た目にもホッソリと別人に。


ただI君がTシャツをまくり上げると、そこにはダルダルに伸びきったデロデロの腹の皮が……。


脂肪は燃やせても、長年かけて伸びきっていた腹の皮が元に戻るには、ダイエット期間だけでは追いつかなかったようだ。まだ二十歳前後の若さをもってしても。


その後、彼を見かけた時には、また元の体型に戻っていたので、現在の姿も想像に難くはない。



とりあえず、近所のハーフの兄ちゃんがこの投稿を読まないことだけは祈りたい。確率的には万分の一でも宝くじよりかは当たりそうな確率でもあるので(苦笑)。

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― 新着の感想 ―
土曜の半日だけ授業があるやつ~懐かしいですな~。 戻ってしまったとはいえ、2~30㎏近くも落とせるって凄いですね。
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