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万古闘乱〜滅ぶのは人間か吸血鬼か〜  作者: 骨皮 ガーリック
己骨万皆
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八十七話 へんな人たちばっか

「ボクもマスターアダルトって呼ばないとダメ?」

「もう私にはこの名前しかないのよ。ゆるしてぇボス」


 歓迎したのはいいものの、この人とは距離感を掴みかねてる。だってそうでしょ。どんなに適応能力があろうとこの人の前じゃ粉砕されるよ。だって。


「ていうかさ、ボク中学生じゃん?

 中学生の前でその格好はダメだよね」


 いい歳した女の人が裸同然の赤色ビキニアーマー。吸血鬼のような白い肌(実際半分は吸血鬼なんだっけ)に真っ赤な髪の毛と真っ赤なビキニ。

 目が悪くなりそう。


「ぎゅってしてあげるからゆるしてぇ」


 両手を広げて抱き抱えられる。

(むにゅっ)


「んっちょ!恥ずかしいからやめてよ」

「やだもぉ、そんなに照れなくてもいいのよ。

 ママに甘えると思って…ほら」


 仲間になるってなった時からずっとこんな感じ。いちいち母親ヅラしてくる。

 みんなが距離を置いてる。その事に気づいてるはずなのに変えようとする気が全く感じられない。


 みんなの嫌われ者。



 照っちから聞いた話だと。

 本名 花園(はなぞの) 杏里(あんり)

 つい最近までヒクラシスの花園のリーダーとして活動。過去にも似たような活動記録あり。


 どうしてここにいるのか、それは五貞と正面衝突し敗北したから。

 一人のこのこ敗走してきてさまよってるところにボクたちを見つけたと。


 ボクに負けて仲間になった。


 ボクを壊せるとしたらそれは摂理かな。放射線で壊れるのはせいぜい動物と自然だろう。

 それじゃあボクを壊せない。あまりにも一方的な戦いだった。



 嫌われてるけど純粋に戦闘能力だけを見たら一番かも。

 他のみんなとは生きてきた年数が違いすぎるし、その大半を戦いに身を置いてたから動きがずば抜けてる。


 照っち安藤は言わずもがな。ファンドマリンも人間相手にしか戦ってきてないしスパイシーはいつも緊張感がない。


 ここにきて生粋の戦闘員が加入した。


 そしてもう一人紹介しないといけないやつがいる。



 憤怒の落合(おちあい) 頑鉄(がんてつ)

 つい最近大罪に選ばれたらしい。というわけで前任者は誰かに殺されたと。

 大罪として情けない。


 無口で何考えてるか分からないけどボクは知ってる。こういうやつに限ってキレると何してくるかわからない。暴れる時は誰よりも狂気に満ちて暴れる。



 この二人からなる新たなチーム。

 主な役割は戦闘。アクアフォース。


 アクアフォースはファンドマリンとスパイシーの下について指示のもと必要な戦闘をする。


 レッドオーシャン設立から一年半で部隊が揃った。

 長かったのか短かったのか。特に募集したわけじゃないけど、資金調達(ファンドマリン)諜報活動(スパイシー)戦闘豚隊(アクアフォース)が集まった。



 拠点確保できたその時、ボクたちは表に出る。

 吸血鬼の権利を勝ち取る戦いが始まる。




 手持ち扇風機を買いにショッピングモールに来たら、知らない吸血鬼が暴れ始めた。

 三階と四階のフロアが焼け焦げる程の大事になった。


 まだまだ暴れようとしてる所をボクが殺しておいた。


 こういうバカがいるから慎ましやかな生活を送らなきゃって被害を受ける吸血鬼が出てくるんだよ。


 ほんと、あとあとそういうのもどうにかしないとダメだね。


 家に帰ってその話をすると他の所でも同じようなことがあったんだって。

 六県の大型ショッピングモールで似たような大火事。


 バカじゃなくて計画的か。誰が裏で動いてんだ?こんな嫌がらせみたいな事をするやつはどこのどいつだよ。


 ボクたちの計画の邪魔をしようってならぶちのめす。


「照っち。調べられる?」

「はい。というか既に検討はついてますよ。

 相手は━━━」

「わかった。やるよ…戦争」


 今の日本では一番大きな吸血鬼の派閥。


「ただ、今のままでは確実に負けます」

「ボクがいるのに?」

「断言できます。向こうにはボスと対等かそれ以上の化け物が一人います。

 他にもどういうわけか強い者たちが大勢います。量でも質でも劣っています」

「吸血鬼がそんなに集まるものなの?」

「俺もそこは疑問ですが、事実そうなっているので安易に踏み込む訳にはいきません。

 俺たちが完全に足でまといになりますので」

「わかった。照っちがOKだと思ったらやろう」

「必ずボスの期待に応えてみせます」


 そうか。いるのか、俺より強いやつが。

 勝者は生きて敗者は死ぬだけ。それだけだ。


 ボクはまだ死ねないよ。力を持って生まれた責任があるからね。


 これは世界を均す前哨戦だ。

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