登録所にて報告を
「当たったあぁぁぁぁ……」
『やったあぁぁぁぁ……お疲れさま……』
――狂乱ウサギと一人の新米モンスターハンターの追いかけっこは、とうとうミバルの切り倒しが命中したことで終わりをみた。
必死の逃走がようやく終わって地面に座り込むミバルを、同じく聖霊の力を借りてサポートしつづけて疲労した、キュウが労っていた。
『まだ朝だけど、ミバルはたくさん頑張ったから休憩にしよう。モンスターハンター登録証には、倒したモンスターをモンスターハンター登録所に転送できる魔法がかかっているから、ひとまず送るだけ送っておこう!』
「便利だなぁ。どうやれば転送できるんだ?」
『死んでるモンスターの上に、登録証をかざすだけだよ。モンスターからは魔法道具の素材が採れたりするんだけど、転送した先にいる人たちが値段を判断して買い取ってくれる。疲れてるけど、これだけはやろう!』
「わかった。そのお金って、登録所で受け取れるんだったかな」
『そうそう。モンスターハンター登録所って、素材の買い取りとか、特別なモンスターの情報を集めてくれたりとか、パーティーを組みたい人たちを引き合わせてくれたりとか――モンスターハンターに必要なことを、大体何でもやってくれるんだよ』
モンスターハンターたちのための施設である、モンスターハンター登録所。モンスターハンターたちには単純に登録所と呼ばれることが多いその施設の役割は多岐にわたるのだ。
モンスターが世界中にいるため、モンスターハンターも世界中で万全のサポートが受けられるようにと、各国の協力のもとで運営されている。
「ミバルさーん、査定が終了しましたので受け付けに来てくださーい」
ハンターたちへのサポートは、国の、ひいては世界の治安に繋がる。そのためどの登録所もしっかりと運営されている。
ミバルが登録所に着いたときも、すでに様々な事務処理が済んでいた。
『ミバルって私の一個下なんだね~』
ミバルの取り出した登録証を見て、キュウがぽつりと呟く。
モンスターハンター登録証には様々な魔法によって、モンスターハンターの身分を証明するものである。そこには年齢も表示されている。
ミバルは十六才。だからキュウは十七才ということになる。
(と、年下だと思っていたのに……!)
ミバルはすぐには信じられなかった……。