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白い空間①

そこでハッとして俺は目を開けた。

ここは……。目の前はなんにもない。はまるですべでが白に染められたような空間だった。

周りを見渡してもなにも見えない。ただ、自分の姿だけは確認できた。下を向いてるとどうやら白いシャツを着せられているようだ。ズボンを履かされている感覚もあるから多分病衣だろう。


……あれ?じゃあここって病院なのか? となれば、俺は助かったのか。

でもなんでこんなところに……。

いや、違う。さっきまでのことは覚えている。

そうだ、俺はあの時いろはに突き飛ばされて……。


つまり、俺、死んだんだ?

それならここにいる理由もわかる。

だけどなんで天国じゃないんだろうか。

いやいや、いろはを置いて死ぬなんてできるはずがない。


自分が生きているかを確認のため胸に手を当ててみる。すると心臓の鼓動を感じた。

ああよかった生きてる。


にしても、ここは広すぎないか?どこを見ても真っ白だし、遠くの方には壁のようなものが見えるけど、ずっと遠くにあるようで近づかないかぎりそこにあるかどうかわからないくらいだ。

それにこの場所にいると頭がおかしくなりそうな感じがする。

なんかもう1回寝たい気分だ。


だけどそんなことをしたら一生起きられない気がした。

うーん、とりあえず歩いてみようかな。

そう思い立ち歩き始める。

しばらく歩いていると自分のお腹が減っていることに気がついた。

「そいえば、俺朝から何も食べてないな」

やばい、意識すると余計にお腹減ってきたぞ。

でも食べ物なんて持ってないしどうしようか。

俺はその場に座り込み途方に暮れた。


「おーい、誰かいるか?」

俺が全力で叫んだ声は白い空間へと消えていく。

まぁ返事があるわけないか。

しかし困ったな、本当に誰もいないのかよ。

それから何時間経っただろうか。

ここに来てから体感では数時間経ってると思うんだけど実際には数分かもしれないし、数秒しか経っていないのかもしれない。

やることがないのでひたすらぼーっとしている。


あー暇だなー、せめてスマホがあればゲームとかできるのにな。……あれ?なんで俺こんなこと考えてんだ? そもそも今って西暦何年なんだ? 俺は一体誰だっけ? 考えれば考えるほど頭が混乱してくる。


俺はいったい何者なんだ?……………… どのくらい時間が経っただろう。


またさっきと同じ感覚に陥る。

俺はふと思った。

これってもしかして夢なのかなって。

だっておかしいじゃないか。

こんな場所があってそこに自分がいて、それで時間が進んでないいや、正確に言うと進んでいるのか分からない。


つまりこれは現実ではなく非現実的な状況なのだ。……そうだ!きっと俺は疲れてるんだ。

だからこんな変なことを考えてしまうのだ。

よし、そうと決まれば早速目を覚まして学校に...学校?学校はどこにあるんだ?そもそも俺は高校生だったのか? 記憶がないせいか全く思い出せない。

「はぁ……」

ため息をつきながら俺は立ち上がる。

とりあえず歩いてみるしかないか。

それからどれだけ歩いただろうか。

相変わらず真っ白でどこまで行っても同じ景色が続いている。精神的にきついものがあるな。喉はすごく乾いているけど水も食料もない。


本当にこのままだと死んでしまうんじゃないだろうか。……あれ?なんか眠くなってきたぞ? だめだ、ここで寝たらダメだ。

でも……すげぇ気持ちいいな……。……


再び目を覚ますと何らかの物が目の前にものすごい勢いで落下してきた。

ドかん...!!! その音と同時に白い地面に亀裂が入るほどの衝撃が発生する。


「うわ!びっくりした!!」


突然の出来事だったので思わず叫んでしまった。


恐る恐る落ちてきた物を確認するとそこにはトイレ⁉便器⁉があった。…………え?便器?なぜ便器が空から降ってくるんだ? そんな疑問を抱きつつも辺りを見回すと便器以外なんもなくてとても殺風景な光景が広がっていた。……

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