グレートリセットの回避方法
「グレートリセットを防ぐための超巨大高台……」
定期的に送られてくる亜香里からのメールで面白いものがあった。
思わず吹き出してしまった。
「高さ25キロメートル……」
この頂上から弾頭に砂を詰めた誘導ミサイルを数百万発撃つらしい。
数百万発。
そうやって、飛来してくる小惑星を破壊、あるいは軌道をずらさせるそうな。
発想としては面白かった。
地球上の大気はその約95%が高度25キロメートル以下の地点に滞留している。
よってその空気の塊から少し上に顔を出し、そこから誘導ミサイルを撃つことで空気抵抗を格段に下げることが可能になる。
また、レーザー照射で小惑星の軌道をずらす際にも、レーザーが大気によって撹拌されるのを防ぐことができる。
私は思わず亜香里に電話をかけていた。
「こんなのどうやって建てるの?」
高さ25キロということは、エベレストの3倍以上になる。
「現在の技術では難しそうですね」
亜香里の話によると、ロボット技術のさらなる向上と、適切な素材の開発が急務であるとのことだった。
「面白そうだけど、現実的には難しいんじゃない?」
「しかし、そうなると人類は小惑星を克服できないということになってしまいます。
大丈夫です。きっと造れるようになりますよ、そのうちに」
亜香里はいつも通りの楽観さでそう言った。
「その前にまず、小惑星の位置をすべて把握して、いつ、どこに落下するのかを完璧に把握するのが先じゃない?」
「もちろんそれはその通りです。
最低でも1年前には把握して、建設を進める必要があると思います」
そして、使い終わったら解体するのだという……。
「生きるって、こんなにも大変なことだったのね……」




