表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/8

学校三大美女が二人

What? と頭に英単語が過る。え? ちょっまっ。え? 一体どうなってんの? 何で二人が俺の席にいるんですか? いや、まぁかなは分かるけど、加納さん?


「何で貴女がいるのよ加納さん!?」

「それは宮本君に用があるからよ」

「用って何よ!?」

「それは貴女には関係ないわ」

「ふーんっ」


 二人は互いメンチを切っている。怖いなー、女怖いっ。


「あ、裕君おはよー」

「宮本君おはよう」

「お、おはよう」


 何でだろう。一歩も動けないのですが。


「ほら、貴女のせいで裕君来ないじゃんっ」

「私のせいじゃないわ。ね? 宮本君?」


 頭が混乱して何も言えない。しかしこのままでは埒があかないので、自分の席に進んでいく。


「見て? 裕君机拭いてあげたから綺麗でしょ?」

「あ、ありがとう」

「私は神社に行って貴方の1年の幸福を願ってきたわ」

「お、おう……どうも」


 何かいたたまれない。間宮を見ると少し離れた場所で小さくくくくっと笑っていた。はぁ!? 何笑ってんだお前!?


「何それ!? そんなん意味ある訳?」

「気持ちの問題だけど、そういう気持ちは大切と思うわよ」

「序でに幾ら出したの?」

「5000円よ」


 いや、高いよ。出し過ぎだって!


「貴女こそ机拭くだけなんて、芸のない。乾かさないと色が物についちゃうわよ」

「こっちはちゃんと意味あるわ。綺麗にすることは良いことよ」


 この状況が理解出来ない俺は……少しトイレに行こうと思い席を立つと、二人にどこ行くのと聞かれた。


「ト、トイレに……」

「あら、それなら尿瓶持ってきているから」

「いやいや、何でそんなの学校に持ってきてんの!?」

「私がチャック開けてあげるからじっとしててね」

「ば、馬鹿! こんなところでトイレ出来るか!」

「動かないで!」

「私も手伝うわ」

「これは私の仕事よ! 邪魔しないで!」

「貴女がもたついているから。宮本君が漏れたら大変じゃない!」

「私がするの!」

「いいえ、私が」

「私が!」

「私!」

「Help me, 間宮!」


 こうして間宮に助けて貰って俺は何とか彼を連れてトイレに逃げ込んだ。


「ぷっ、くくく。尿瓶は傑作だなっ」

「笑うな間宮!」

「で、俺をトイレに連れ込んだ理由は? つれションか?」

「ばっ、違う! あの状況は何なんだ!?」

「そんなの俺にも分かんねーよっ」

「はぁ、間宮でも分からんか」

「あんな状況理解する方が難しい」

「まぁ、確かに……」

「でもな。宮本」

「?」

「お前にも青春が来たということだっ」

「はぁ? あれの一体どこが……」

「その小さい脳で考えなっ」


 彼は笑いながら出て行った。そして今日は日直であることを思い出し僕はクラスに状況を見ながら戻った。そして授業が終わるごとに黒板を消しに行くと二人も手伝いに来る。かなが左、俺が真ん中で加納さんが右である。黒板を消すごとに何か両側から圧を感じて嫌な感じだ。そして彼女達から何故か下の方の目線を感じる。3限目の授業終わり、


「おい宮本。ノート持ってきてくれ」

「え? それは……」

「日直だろ? 頼む」


 僕は渋々はいと言い教卓にあるノートを持つと、


「私も行くわ!」

「私もっ」


 例の二人も手伝って来た。


「あ、ありがとう二人とも」

「私優しい?」

「う、うん親切だなーっ」

「えっへーっ、そうかなーっ」


 とりあえずこの脳筋女にはこれで良いか。そして反対側から圧を感じる。


「私は?」

「も、勿論加納さんもさ」

「私も何?」

「優しい優しい」


 彼女は満更でもない顔になる。何なんだ今日は一体? その時、両足が躓いて脚が動かない。え? 何金縛……そしておもむろにそのままどべっと前に倒れた。感触的にどうやら二人が自分の足を俺の足に引っかけたらしい。


「何するんだ二人とも!?」


 しかしこれは……リンちゃんの大和みたいなラッキースケ……。微妙にスカート丈の長さで見えない! 駄目じゃん! そして二人はさっとスカートを押さえ、


「え? 何? いや、まさか……」


 叫ぶ。


「この変たーい!」

「いや。だから見えて……ごふぅっっ!!」


 8話でリンちゃんのスカートの中身を見た大和はその後彼女から制裁を喰らうのだが、俺は何も見えてねー!!


 そして4時間目の授業が終わり昼休み、俺は顎と肩に湿布を貼ってぶすーっとする。


「ゴメン裕君。まさか見えてなかったなんて」

「本当だよっ!」


 ったく蹴られ損だぜっ。


「お詫びにって言う訳じゃないけど……」

「ん?」

「一緒にお弁当食べない?」


 そしてかなと加納さんの声がハモった。


 え? 何これ?

最後まで読んで頂きありがとうございます。

ブックマーク、評価頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ