表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/92

2.王宮侍女は部屋案内をする


今日は早朝に謁見室の掃除を済ませて、朝食を取ったら、次は大広間です。明日の夜に舞踏会があるんで総出で綺麗にします。

出席予定?

そんなもんあればここで鏡を磨いてないですよ。

かたっ苦しいの苦手だからいいけどね。それはいいんだけど、翌日の片付けがなぁ……。

床に落ちた料理にカーテンに付いたワイン、そして庭やバルコニーに散らばる情事の跡。

ため息しか出てこない。

食べて飲んでヤルとか、動物か。

はぁ、ヤダヤダ。

普通に「おほほ」「うふふふ」ってお喋りだけで止めてくれないかな。

あちこちで盛るなよ。後始末してる奴の事を考えて欲しい。

そんな脳があるならヤらないわな。

諦めて鏡をピカピカに磨いて、なんちゃらの男性像を磨き、なんたらかんたらの鳥の剥製に優しくハタキをかけていく。

そうは見えないけどお高いんだろうなぁ。


大広間をお昼を挟んで午後すぎまで掃除して、次は客室や従僕の方たちの控え室です。

自分の受け持ちの客室へと向かう。

一部屋を手早く済ませて、隣の部屋の扉を開けると人がいた。しかも半裸の男女はベッドの上で、どう見てもやる気満々の様子。

やっちまった。


「……。失礼いたしました」


ソソっと後退りして扉を閉める。

ちょっとおおおおお!ナニしてんだよ!ナニしようとしてんだよぉ!

普通に仕事をしようとした私は悪くない。悪いのは昼間から盛っているお前らだ。

恥じらいとか羞恥心を持て。

しかし、あの2人には無理だろうな。そんな言葉すらプレイにしちゃいそうだ。

男はいわゆる遊び人で、女は浮気三昧の貴族の奥様だ。

バッタリ出会うのは避けたいので、隣の隣の部屋の掃除を始める。

あの後再開するんだろうか。あの気まずさを物ともしない強者ってすごいな。まぁ、そのくらいなければ昼間からヤろうなんて思わないだろうね。




あっという間に舞踏会の夜である。

綺麗なお仕着せを着て働いております。働くと言っても目立たぬように隅に控えて、ご用事があればお呼びくださいとすまし顔で立っているだけです。

仕事が無い様に見えて意外とあるんだなぁ。

休憩室への案内とか、休憩室の案内とか。

本当にどうしようもないな、貴族共め。私もその端くれだけれども、羞恥心とか道徳心とかちゃんとあるから。

そんな中呼び掛けられて、振り向いたら奴がいた。

昨日、真昼間から盛ってた男。遊び人と噂高いユリウス・ベネディクト子爵。

たかが子爵と思う事なかれ。侯爵家の次男なので、親の余った爵位を貰っているボンボンだ。放蕩息子ってのはコイツの為にある言葉だと思う。

色の薄い金髪は羨ましいほどにツヤツヤサラサラで、切れ長の目や薄い唇が少し冷たく見えてクールで素敵と同僚が騒いでいた。

そんな外見のくせに、女性を褒める言動を惜しまないらしい。

同僚曰く「髪型はもちろん、香水を変えても気がついて褒めてくれる」らしい。

豆男だ。

あれだ。高級娼婦の男版だ。

私が目撃しただけで、5人の女性と遊んでいる。令嬢だけじゃなくどこそこの夫人もいた。

週7日のうち5日も潰れるわ、バッティングしないように調整しなきゃいけないんだよ?めんどくさくない?

よくそんなに相手ができるな。呆れを通り越して感心するわ。

私は1人さえも持て余してるのに。なんて言ってみたい。どうせ1人もいないよ。


奴はやはり休憩室の案内を頼んできた。

後ろの女性と雲隠れですか?まぁ、ごゆっくり。あんまり汚さないでね。

つか、後ろの女性って……。

教えといた方がいいのか迷うなぁ。いや、知ってるのかな。

迷ったが、やっぱり一言だけ伝えておこうか。寝覚めが悪いのはやだしね。

控え室へと着いた時に「子爵様」と声を落とせば、彼は女性を先に部屋に通してからこちらに目で問いかける。


「申し訳ありません。確認ですが、ご存知の上でございますよね?」


奴は不機嫌そうに「もちろんだ」と鼻を鳴らしたので「大変失礼致しました」と頭を下げた。

知っているのならば問題ない。

問題なのは、明日の掃除だ。出来るだけ汚さないで頂きたいものだ。まぁ、無理だろうけどな。

明日の片付けや掃除の事を考えてため息を吐いた。




3日後、珍しく表向きの用事をしていた私は、何故か奴に呼び止められた。

なんだと言うんだ。ちゃんと詫びはしたよ?

アレで足りないとはどんな高慢ちきだ。


「何か御用でしょうか?」


理不尽だなぁと思いつつもちゃんと応対する私は大人だ。うん。完璧。

ちゃんと対応してやってんのに、奴は不機嫌全開だ。


「君は知っていたのか?」


おい、ちゃんと文章を完成させろ。

意味が分からん。


「何を、でしょうか?」

「とぼけるな!彼女の性癖をだ!」


ああ、アレか。


「ちゃんとご存知の上だとお聞きしておりますので、問題はないかと…」

「大有りだっ!」


短気か。

やめろ、唾を飛ばさないで欲しい。

なぜか激怒する奴を冷めた目で見返す。私はちゃんと聞いたよ?そしたら知ってるって言ったじゃん。

ほら、問題ない。


「意味がわかりませんが」

「私は、部屋の使用方法についてだと思ったんだ」


何言ってんだコイツ。

部屋の使用方法なんて改めて聞く事でもないだろう?休憩しない休憩室とかなんの意味があるのか知らないけどねー。

ああ、めんどくさい。


「それは、言葉が足りずに申し訳ありませんでした」


深々とお辞儀をしながら、熟女の毒牙にかかったのか気になったが、翌日の掃除でそんな痕が無かったから逃げ出したんだろうなぁ。

謝ってとっとっと逃げ出したかったが、奴がネチネチとグチり出した。

日中にそんな内容喋るなよ。こっちは忙しいっての。

右から左へ聞き流してたのが良く無かったんだろう。聞いてないと怒られた。

解せぬ。

新キャラ出ましたが、現時点でヒーローの予定ではありません。ただのクズ男です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 内容自体は全体的にサクサク読み進められるのは良かったです。 [気になる点] 途中3日後などの時間軸が変化してるところにこそ改行が欲しいかなと。読んでいて一瞬あれ?となってしまいました。 […
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ