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平凡な錬金術師  作者: にゃおぞう
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第2話 錬金術師の成長

 俺に発現したスキル『変成』は知識……いや創造力という方が正しいだろう。その創造力プラス質量があれば、基本的に出来ない事は存在しないのかも知れない。


 試しに魔導具の様な、魔法が使える物を作ってみた。まずはランプの代わりに普及した、光の魔導具を作ってみたところソレは出来た。

 完成したソレは、魔導具ではない何かだった。まず魔力を流そうと、触れた途端に輝きだして消せなかった。しかも、触れたが魔力は流す前に光を放った。既存の照明魔導具は、使う魔力によって光量や起動時間が変わる。ソレは、触れただけで魔力を必要とせず輝き続ける永久機関だった。

 こんな戦争待った無しレベルの、謎物体は即普通の鉄屑に変成した。恐らくは知識不足で、イメージのみをそのまま完成してしまったのだろう。

 暫くは、錬金術のスキル上げだけに使って行こうと考え直した。


 冬のある日、祖父から街の学習塾に通ってみないかと言われた。ここ約1年半で、売上が大幅に増して蓄えが出来たかららしい。祖父の錬金術の腕に見合った、良質な素材が手に入っていたのが利益に繋がったようだ。というか、高品質なのは採取しに行ったフリをして俺が変成していた薬草であるが、まだ気付かれてはいない。


 「学習塾には興味があるけど、俺が抜けても良いの?」


 「見下し過ぎじゃないか? サクヤが来る前でも、ウチは回っていたんだから生活には困らんよ」


 「いや、そうじゃなくて父さん母さん的な話の方」


 「……そっちか……」


 そもそも、俺が両親の元を離れて祖父の工房に入っているのは、両親の希望である『錬金術の修行』が理由だ。

 取り敢えず、決して無駄になる事では無いし本人が通ってみたいと言えば大丈夫だと思うという事で次に両親が来た時に相談する事になった。


 「それで学習塾って何なの?」


 「学習塾は5歳になる年の春に、自主的に入る事が出来る色々な技術を学べる場所だよ」


 色々な技術って事は、スキル訓練所みたいな認識で良いのかな? 変成のフェイクに、色々出来る事を学べるのは大歓迎だ。


 「それに10歳から、更に上級者を目指す者達が集まる学院にも入り易くなる」


 「おじいちゃんも通ったの?」


 祖父は、ゆっくりと頷いた。祖父は塾から卒院まで錬金術を重点的に学び、上級者の中でも知識は飛び抜けていたらしい。


 そんな祖父の経緯もあり、後日両親が来た際に相談してみたところ、大賛成でトップを目指しなさいと無茶振りされてしまった。


 恐らくではあるが、学習塾と学院の入学が決定したようだ。学院は試験があるらしいから、どうなるかはわからないけどスキル偽装で平凡に生きる為には頑張ろうと思う。


 本来は、15歳で成人と認められて働き始めるのだが、俺は諸事情により3歳から特級錬金術師の祖父に指導を受けて働いていた。そのお陰で、塾に入った時点で錬金術だけではあるがスキルが中級になっていた。

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