美しく、命よ
日本で安楽死が認可され、
「生涯を安楽死によって美しく終える」事が
世の常識となった近年、
彼女は死んだ、美しく死んだ。
僕は憎んだ、美しく散った彼女を。
決断を下すのは個人であり、
僕が口を挟むのもおかしい話である。
わかっている。
安楽死なんて制度がなければ、もっと、一緒にいれた筈だ。
安楽死を選んだ彼女、苦しみながらも僕と生きる時間より
安らかな美しい、僕のいない独りの時間を選んだ彼女。
憎めなかった、当然の決断だ。僕だってそうする。
けれど、寂しい。
安楽死なんて制度がなければ、もっと楽しい思い出が、
でも彼女の思い出には、痛み、苦しみがいつも付属するだろう。
安楽死なんて制度がなければ、なければ、
君は苦しんで死んでゆく、
あぁ、どうしてこんなにも、どうして、
死は人を悩ませる、苦しませる、
死は、どうしてこんなにも、美しいのだろう。
死とは、なんなのだろう。
人はなぜ、死にゆくのか。
考えても答えなんてないことはわかっている。
だから人は死ぬのだ。
なぜ、自分は死ぬのか、わからない。
なぜ、自分は生きているのか、わからない。
それが人だ、わからないから、曖昧な答えを出した。
人間は答えを出したがる生き物だと感じる。
恐らく、僕は自分の「死」に答えを求める。
死は怖いものだから、死は怖いものだからこそ、
美しい。
僕はまだ死なないだろう、という油断と慢心のもとに
僕はこのような感情を抱いた。
僕はまだ死なないよ。君を憎むのはやめる。
むしろ感謝すらしてるね。
死を、終わりを、考えさせてくれてありがとう。
好きだった、君が、生きようとする君が。
死を選んだ君を、少しだけ皮肉って
明日へ。
初投稿でした。
中学生の稚拙な文章ですが読んで頂き感謝します。
リアルでこんなこと考えてないですからね、笑
文章の中での、「彼」の、あくまで彼の考えたこと
と捉えていただければ幸いです。