2話 楽しいってなに?
実は私、まだ行方不明のままでなんとかやってます。夜は、人通りの少ないところで野宿してます。
トコトコカツカツカツ。
「こんばんは、そこであなたはなにをしているの?」
野宿って答えました。
「私は、中三でここに逃げてきたの。
いっ、家でしてきたの」
まさか自分と同じ状況の人がいるとは思いもしていなかった。
「よかったら、一緒に野宿しない?」
はい!ともちろん答える。
「私は、南原中学の三年四組だよ」
名前は?と聞いてみた。
「名前は、友山優衣だよ」
私も自己紹介を済ませた。
「あかりちゃん、楽しいって何なの?」
私もわからない。なんだろうね。
「私は自分が何のために生きるのか、何のために頑張るのかがわからなくなっちゃって、もう本当、自分が嫌いになってしまったの」
「私も一緒」と言ったら少し安心していた。
楽しいってなんだろう。
「あーおなかすいたぁー」
私のおにぎりを一つあげた。
「あー生き返るよぉーモグモグ」
「ゆいちゃん」
「なに、あかりちゃん」
「ゆいちゃんっていつも学校で何してるの?」
「私は、学校にいってないの」
実はゆいは不登校でした。
「私、今日花江川のオープンキャンパスだったの。でもそこで過去に中学受験失敗したの。で、花江川に受かった友だちに会いたくないから、オープンキャンパスに行かずここにいるの」
私、もうこの「優衣」ちゃんと一緒にずっと野宿する。
毎日いろんなところウロウロして、警察に見つからないように頑張ろう。
「ゆいちゃん」
「何?」
「私たち二人で協力して、警察に見つからないように頑張ろうねー」
「あっ、ゆいちゃん、今所持金いくら?」「えっと、千、二千、三千···」
「私は、10,206円持ってるよ」
「えっと、私は299,99円持ってるよ」
「ゆいちゃんのと、私の合わせて40,205円だから一ヶ月は野宿できるね」
「そうね、あかりちゃん」
ぶー♪ぶー♪ぶー♪♪
❲明!!いまどこ?母さんよ、生きてる?、いまどこなの?警察が探しているのよ。自分から戻ってきてよ(T-T)❳
「ん?どうしたの?」
「あっ、ヤバい母からメールが来たよお」