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ハゲても白髪混じりでも

時系列・・・第三章の終わりから、第四章6以前までのとある土曜日。

いつものように居酒屋で酒盛りに興じる三人。お喋りが一段落ついたところで、何やら菜々が遊び始めました。

菜々「じぃー…」

豊島「…………俺は無実です」

茂松「やましいことがあるヤツに限ってそう言うよな」

豊「なんなの、菜々ちゃん。何の前フリもなくじっと見られても、リアクションに困るんですけど」

菜「にらめっこですよ。笑うか吹き出したら負けです」

豊「何故」

菜「勝負の世界に理屈は要りません」

豊「受けて立つなんて一言も」

茂「付き合ってやれよ裕太。煙草でも賭けて遊んでやりゃいいじゃねーか」

菜「いいですねそれ。負けたら相手に一本恵んであげるってことで、勝負です」

豊「せめてやる宣言してから始めてくんねーかな…」

菜「はいスタート」

豊「結局いきなりかい」

菜「じぃー…」

豊「……」

茂「……俺、何してればいいの?」

豊「ジャッジメント」

茂「ですのー!」

菜「ぶふっ!」

茂「なっちゃんの負けー」

菜「なーっ!卑怯ですよ今のは!」

豊「勝負の世界は非情なんだよ菜々ちゃん。はい煙草ちょーだい」

菜「むうー……リベンジ!」

豊「煙草なくなるよ」

菜「今度こそ勝ちます!あの手この手を使います!」

豊「清々しいほどの反則予告だな」

茂「じゃあスタート」

菜「…実はあたし、二人にずっと内緒にしてたことがあるんです」

茂「心理攻撃か」

豊「もはやにらめっこじゃなくてただの笑かし合いだな」

菜「あたし本当は……女の子が大好きなんです!」

豊「…………はい」

茂「ただの俺得なカミングアウトね」

豊「で?」

菜「……」

豊「……」

菜「……あたし今日、ノーパンです」

豊「ぐはっ!」

茂「裕太の負けー」

菜「やったあー。豊島さんの煙草もーらいー」

豊「童貞心理突いてくるとか卑怯にもほどがあるぞ!」

茂「勝負の世界は結果が全てだ。裕太よ、童貞根性で負けてしまうとは情けない」

豊「じゃあ今度はお前が菜々ちゃんと勝負してみろ」

茂「いいぜー。営業で鍛えた駆け引きテク見したるわ」

豊「はいスタート」

茂「ところでなっちゃんさ、さっきの話はマジなの?」

菜「さっきのって?」

茂「ノーパンだって話」

菜「そんなの豊島さんを動揺させるための嘘に決まってるじゃないですか」

茂「いいのかなあ?お遊びとはいえ、健全な野郎相手にそんな危なっかしい嘘ついたりして」

菜「なっ、どっ、どうせ豊島さんもカナちゃんさんも、あたしなんかをオカズにしたりなんてしないでしょうしー?」

豊「オカズて」

茂「そうとも限らねーぞ。だってなっちゃん、めちゃくちゃ可愛いし」

菜「うっ、ぐ…」

茂「裕太、ジャッジは」

豊「ギリセーフ」

茂「まだまだ。俺らのこと人畜無害だと思って侮ってると、いつか何倍にも増して仕返しされるかもよ?」

菜「どっ、どんな仕返しですか?」

茂「わかってるくせに」

菜「ううっ…」

茂「たぶん今、ここにいる全員、同じ妄想してると思うぞ。裕太もだろ?」

豊「あー……まあ」

菜「ぐっ…う…!」

茂「…こうしてなっちゃんのことじっと見てるとさ、割と必死で抑えてる俺の理性が、何かの拍子で飛んじまうんじゃねーかって…」

菜「うにゃああああ!ギブううううう!」

豊「まさかの降参勝ちしやがった」

茂「よっしゃー、なっちゃんの煙草ゲットー」

菜「煙草でも何でもあげますからもう許してくださいいぃ!」

茂「ん?今何でもって」

豊「そのネタだけはやめろ」

茂「ともあれ、なっちゃんの攻略法明らかにしちまったから、もう俺らに負けはねーな」

豊「俺はお前みてーに言葉巧みに言いくるめんのは無理だがな」

茂「コツさえ掴めば楽勝よ。乙女ゲーの攻略キャラになりきってりゃ自然とそれっぽい台詞喋れっから」

豊「余計ハードルたけーわ」

菜「もー!こうなったら豊島さんとカナちゃんさんで勝負してください!」

茂「えー。嫌すぎる」

豊「こいつと見つめ合うとか、マジで勘弁して欲しいわ」

菜「二人とも、勝てる自信ないんですか?」

茂「……」

豊「……」

茂「ぜってー勝てるし」

豊「負けるわけねーわ」

菜「よーいスタートっ」

茂「……」

豊「……」

菜「……」

茂「……はぁ」

豊「……ふぅ」

菜「……ほぁ?」

茂「歳取ったな、お前」

豊「お前もな」

菜「うわあ…」

茂「だいぶ生え際後退したんじゃね?」

豊「お前こそだいぶ白髪目立ってきたぞ」

茂「俺は元々若白髪ある方だったから」

豊「この歳でそれ言ったって無駄。いい加減歳相応に白髪染めに頼れ」

茂「うるせー!白髪生えやすいヤツはハゲねーんだよ!てめえこそ若ぶった髪型やめて髪伸ばしてハゲ隠ししてろ!」

豊「やかましーわ!白髪見つけるたびに抜いてりゃそのうちてめえこそハゲるわ!諦めて染めろってんだよ!」

茂「あんだとクソハゲ!」

豊「やんのかマダラハゲ!」

菜「ストーップ!ひ〇りくん!」

茂「……懐かしすぎるだろ」

豊「……なんで知ってるの」

菜「あたしのオタ知識網を侮らないでください」

茂「なっちゃんまだ生まれてねーはずだろ、それ連載してた頃」

豊「俺らがガキの頃に週刊連載してたヤツだし」

菜「あたしがそれ知ってることに感心してないで、絶妙なフレーズで場を収めたことに感謝してください」

茂「あー、フツーに気ー削がれたわ」

豊「いきなり世代ドストライクなタイトル出されたらな」

菜「そんなことより、二人とも頭皮事情気にしすぎです。悩みすぎいくないです」

茂「いくないったって、男として避けて通れねー問題だしさあ」

豊「そうそう。深刻でデリケートな問題なんだよ」

菜「いいじゃないですか。ちょっとくらいハゲたって白髪増えたって」

豊「ちょっとくらいってそんな…」

茂「んな簡単に済む次元じゃ…」

菜「ハゲても白髪混じりでも、豊島さんもカナちゃんさんも素敵ですよ。むしろ大人の魅力が増して、今よりもっと好きになっちゃうかも」

豊「んなっ!」

茂「ぐあっ!」

菜「はいっ。二人とも、あたしの煙草返してください」

豊「……参りました」

茂「……敵わねっす」

極端に人物描写の少ない本編ですが、にらめっこなり頭髪事情なりビジュアル的な想像をさせる今作はもしかすると理解しづらかったかと思われます。オタ要素もいつも以上にネタ盛り込んだので、なおさらかと。

これを投稿した時点ではラストシーンで更新をストップしている状態ですが、いずれ私の拙いイラスト付きで人物紹介のページを差し込もうかなと、なんとなく計画しています。

本編あらすじにURLを載せている転載元サイト様ですでにいくつかイラストを公開しております。興味のある方は是非。Twitterのアイコンとホーム画像も三人の絵です。美術成績平均2の低レベルな線書き絵ですが、二人のアラフォー男子が普段どんな感じで頭皮事情を気にしてるのか、彼らの容姿をご覧いただいて想像されてみてはいかがでしょうか。

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