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【パロネタ】婚約どころか婚姻破棄された悪役令嬢がおっさん達と異世界転生して元旦那をボコりにきた

設定・・・現実から少し離れて、みんなでRPGの世界を楽しみましょう。

ドキッ☆「涙の魔法」登場人物(ほぼ)全員集合!挿絵もあるよ♪

長い長い、ほんとに長ーい冒険が始まりますよ。

菜々「さて、今回はなんともツッコミどころ満載なタイトルのクエストに挑んでるわけですが」

豊島「読者が食いつきそうな単語だけ並べてそれっぽいなろう風タイトルにするんじゃないあと誰が悪役令嬢で誰がおっさん達だよ」

茂松「総ざらいツッコミ乙」

菜「要するに、あたしたち三人がかりで野田をフルボッコにしちゃおうという企画です」

?「ちょっと!あたしのこと忘れないでよ菜々!」

茂「なんだ、脳内に直接語りかける現象もアリ設定のファンタジーか」

豊「すっとぼけ甚だしいわ」

菜「あ、そういえばいたんだっけ、奈津美」


挿絵(By みてみん)


奈津美「いたんだっけじゃないわよ!そもそも、なんであたしだけみんなと違ってミニチュアサイズなわけ!?」

豊「……お助け妖精、的な?」

茂「使える魔法も補助魔法系が多いみたいだから、そんな感じだろうな」

菜「はぁうー!手乗り奈津美たんかぁいいよお!おっもちかえりぃー!」

奈「ちょっ、どこ触ってんの菜々!やめなさいってば!」

茂「キマシ」

豊「百合オタきめえ…」

奈「もー!ふざけてばっかで、あんたたち旅の目的忘れてないでしょうね!?」

菜「憂さ晴らし」

奈「まあ……あんたの場合は、そうね」

豊「あと、どうやら強力な助っ人キャラも仲間に出来るらしいって話だけど」

茂「サポート枠が潤うとかなり助かるな。攻撃魔法得意なクラスで後方支援してくれりゃ理想的」

豊「残念ながら『伝説の剣士』らしいから、それは期待できないかと思われ」

茂「がっつり最前線に立ってもらう主力枠じゃねーか…」

菜「剣士さん加入しちゃったら、あたしと若干被っちゃいません?」

豊「槍使いと剣士は違うから平気だろ」

奈「え、違うんですか?」

茂「全然ちげーよ。斬撃主体と突き主体だからな」

奈「はあ、いまいちピンと来ませんけど…」

菜「奈津美は全然ゲームやらないもんね」

奈「むー……ところでお二人とも、そんな装備で大丈夫なんですか?」

茂「大丈夫だ、問題ねー。矢のストックさえ切らさなけりゃ」

豊「もう少しまともな装備を頼む。つーか俺、武器すらねーんだけど」

茂「クラスで言うと格闘家だろうな。なんでそれ選ばれたのかはわかんねーけど」

菜「元野球部なんですから、せめてバット持たせてもらえばよかったんじゃ?」

豊「バットは人を殴るものじゃない」

茂「いっぺんそのチンピラスタイルでバットぶん回す裕太見てみたかったけどな」

菜「そういうカナちゃんさんは、どうして弓使いなんですか?」

茂「近接武器使うクラスは走り回らねーとだからしんどいし、魔法は気力消耗して疲れそうだし」

豊「ほんと根性だけはクズニートばりだよなシゲは」

茂「でも俺、なかなかの神エイム持ちだぜ?」

菜「まあいざとなれば、奈津美に補助魔法使ってもらって補正かけられますから、なんとかなりますよ」

奈「大丈夫かなあ…」




 ――まあ相手が相手なので、特にレベル上げも必要ないと判断した一行はラストダンジョンへ。




野田「ついに……来てしまったか、この時が」

豊「厨二くせえ」

茂「クソうぜえ」

奈「元後輩相手だからって容赦ないですね…」

野「相手があんたらだろうと、全力で戦わせてもらいますよ俺は」

菜「いいえ、豊島さんとカナちゃんさんの手を煩わせるまでもないわ。あたしと一対一で勝負よ、朋也」

豊「パーティ組んだ意味ある?」

茂「元夫婦のガチバトルとか目も当てらんねー展開になるんじゃ」

野「ふっ……まさかこんな形で、お前の恨みを受け止める機会が巡ってくるとはな、菜々……って、誰だよお前!?」

菜「はあ?」


挿絵(By みてみん)


野「こっ、こんなの、俺の知ってる菜々じゃない!」

茂「何言ってんだお前」

奈「離婚してからバッサリ髪は切りましたけど、他は大して変化ないですし、どういうことです?」

豊「正真正銘、お前の嫁だった菜々ちゃんだろうが。多少あざとくなったとはいえ、何もおかしいところなんてないだろ」

菜「この際あざとさは関係ないですし、あたしはあざとくなんかないです」

豊「ダウト」

野「何もかも違う!菜々はもっと控えめでおとなしくて、そんな露出の多い格好なんて絶対にしない!」

茂「なんだそりゃ」

豊「可愛いだろうが」

茂「しれっとすげーこと言えるようになったな裕太」

豊「……」

奈「あ、赤くなった」

茂「自分の発言の小っ恥ずかしさぶりに気付くの遅すぎだろ」

野「いいか!?俺が覚えてる菜々はなあ、もっとこう――


挿絵(By みてみん)


――みたいなイメージなんだよ!あんたらもわかるだろ!?」

奈「…………わかりました?」

茂「言葉の説明すっ飛ばしてるはずだけど、何故かわかった」

豊「何でもアリなのはファンタジーだからなのか、メタな力が働いたおかげか…」

菜「あのねえ……この際だから言わせてもらうけど……!」

奈「あ、スイッチ入った」

豊・茂「え」

菜「あたしはねえ!そうやって自分の理想を押しつけたがるあんたの性分が大っ嫌いだったのよ!髪は長い方がいい、おしとやかにしててほしい、自分の目の届くところにいろ、もうほんっとうんざりしてたんだから!」

野「なっ……い、今さらそんな文句言おうが、どうにもなんねーだろが!」

菜「あんたに直接言えなかったんだから、今言うしかないでしょ!反論する猶予もろくにないままさっさと済ませたくせに!」

野「ちゃんと『言いたいことあるなら言い返せ』って言ったろうが離婚届書かせた時に!」

菜「あんな状況でまともに言い返せるわけないでしょ!」

豊「……あの……これ一応、ラスボス戦だったよな」

茂「今まさに繰り広げてるだろ。壮絶な死闘を」

奈「元が付くとはいえ、真っ当な夫婦喧嘩してるだけなんですが…」

菜「あーもうっ!あんたの顔見てるだけで腹立つ!こうなったら本気でボッコボコにしてやるんだから!」

豊「え、本当に槍使って戦う気?」

茂「にしては、構えがすげー上段に振りかぶってんだけど」

菜「てやああああああああああ!!」

奈「えーっ!?そのまま行くの!?」

豊「早まるな菜々ちゃん!たぶん槍の使い方間違ってる!」

茂「そのまま振り下ろせば剣道の『面』だぞなっちゃん!」

菜「ちぇすとおおおおおおおおおお!!」

野「くっ…!?」


 ――ごつっ!!!


豊「うわ……脳天直撃…」

茂「真剣白刃取り失敗…」

奈「しかも刃じゃなく柄の方で……痛そう…」

野「くぉぉぉぉ…!」

菜「どーだまいったかあ!積年の恨みはこんなんじゃ晴れないけど、クリティカルヒットしたし、このくらいで勘弁してあげるわ」

野「…………お前が…」

菜「ん?」

野「お前が……そんな品のない女だったなんて、知らなかった。クソ……こうなるくらいなら最初から……お前のことなんか…」

菜・豊・茂(カチン)

菜「……あんたねえ、殴られ足りないの?それとも今度こそ、容赦なくぶっ刺して…」

豊「下がってて、菜々ちゃん」

菜「ほへ?」

茂「今度は俺らのターンだ」

菜「えっ?ふぇっ?」

豊「おい野田てめえコラ」

茂「覚悟は出来てんだろうなタココラ」

野「え……えっ……?」

豊「俺らは菜々ちゃんの憂さ晴らしの付き添いで来たようなもんだし、戦闘は援護に徹するつもりだった」

茂「だがな、さっきの台詞だけは聞き捨てならねえ」

豊「死んであの世で詫びろお!!」

茂「うるああ!!ずっと俺らのターンだドクズがあ!!」

野「ぎゃあああああああああ!!!」




 ――5分後。




豊「……てめえの敗因は……まあ、色々ある気がしないでもないけど……たったひとつだぜ」

茂「てめえは俺らを怒らせた」

菜「おーい。生きてるうー?」

野「……」

奈「菜々……槍の先っぽでつんつんしないの。ちゃんとした槍の使い方覚えなさい」

茂「あー、すっきりした」

豊「あー、つっかれた」

菜「壮絶アクション、乙でした」

茂「いやーさすが格ゲー得意なだけあって、空中コンボ決めまくってたな、裕太」

豊「俺の技で浮かせた標的、お前も百発百中だったじゃねーか。神エイム発言は口だけじゃなかったな、シゲ」

菜「おかげでハリネズミみたいになりましたけどね」

奈「むごい絵面になってるのに、なんであんたたちいつも通りの会話できるの…」

菜「さてと、これだけボコられて矢まみれにされて野田も再起不能になったことだし、今回のクエストはらっくしょーのノーダメクリ…」


?「ちょーっと待ったあああああ!!」


菜・奈・豊・茂「え?」


挿絵(By みてみん)


豊・茂「まどちゃん!?」

菜「わー、円香さんだあ!お久しぶりー!」

円香「やっほー菜々ちゃーん。しばらく見ない間に一段と可愛くなったねー」

奈「えっと……どなた?」

菜「豊島さん達と同じ会社にいた時の、一年先輩だった円香さん」

奈「が、どうしてここに?」

円「面白そうだから来ちゃった」

豊「まどちゃんらしいわ…」

茂「てことはつまり、ほぼ必然的におまけで付いてくる人が…」

安達「ういーす」

島田「来たぜー」

豊「って、まさかのあなた達ですか!」

菜「安達さんと島田さんは、豊島さん達の何コか上の先輩だよ」

奈「だからなんで…」

茂「麻雀のみならず、すっかり頭数合わせ要員として定着しちゃったんすね二人とも」

安・島「それだけは言うな」

豊「気にしてるんすね…」

菜「来てもらったばかりですけど、ラスボスの野田は倒しちゃったんで、このクエストはもう終わっちゃったんですよ円香さん。仲間になってくれるんでしたら、次のクエストから…」

円「あー、ごめんね菜々ちゃん。私達、仲間にはなれないらしいの」

菜「ふぁっ?」

豊「すーっげえ嫌な予感しかしない…」

茂「ある意味で面白れーこの状況だったら、ノリノリで参加したがるだろう『あの人』が登場渋ってるあたり、クソめんどくせー展開になりそうな…」

田辺「ぃよーう!おめーら若けー連中が楽しそうだからよ、俺らが相手しに来てやったぜ!」

茂「よりによって敵サイド予想通りでした!」

豊「裏ボスが田辺さんとか最悪ですね!」

奈「あのおじさんは……上司?」

菜「役職に就いてない平社員だから、田辺さんもただの先輩だよ」

奈「何て言うか、やたらかっこよくない?」

菜「イケおじでしょー?でも円香さんと付き合ってるから、マークしちゃ駄目だよ」

奈「なーんだ…」

田「ちょっとした火遊びくらいならいつでも大歓迎だぜ、ちっこいおじょーちゃん」

円「だーめーでーすっ!」

菜「あたしが会社にいた頃と相変わらずのノリで、安心しました」

豊「安心してる場合じゃないって菜々ちゃん。どうやらこの四人と戦わなきゃならないみたいなんだから」

茂「規定時間内で表クエストクリアすると解放される、エクストラクエスト突入ってことらしいな」

田「よくわかんねーが、そういうこった。つーわけで……野郎共!やっちまえーい!」

円「はーい」

安「ほーい」

島「へーい」

菜「ゆるいなあー」

茂「ちょうど三対三だし、一人ずつ相手していくか。じゃあまずは、裕太よろ」

豊「へいへい……じゃあ、安達さん!素手でぶん殴るのはめちゃくちゃ抵抗あるけど、手加減はなしです!」

安「おーし、かかってこい!」

菜「じゃあ奈津美、せっかくだからサポート魔法発動させちゃおう」

奈「はっ?えっ?ど、どうすればいいの?」

菜「あたしが呪文教えるから、合図出したらそれ言って」

茂「間合い詰めたぞ!いいタイミングで出せよ!」

豊「うおおおおおおおおおお!」

菜「……よし!今よ!」


奈「前!下!斜め前!パンチ!」

菜「しょぉおおりゅううううう!!」

豊「ぬおおおおおおおおおおっ!?」


 ――ドカカカカッ!!!


安「ぐっはああああああ!!」

奈「わー、すごい威力」

豊「色んな意味で危ねー技を俺に撃たすな!」

菜「イケるもんですね、格ゲーコマンド」

豊「試し撃ちしたかったんなら俺より強いヤツにして!?」

奈「一発でかなり体力消耗したみたいですからね…」

茂「おもしれーな。俺にも使ってくれよ、サポート魔法。ちょっと島田さんにぶっぱなしてみるわ」

島「先輩相手に的当てすんの微塵も躊躇なしか」

菜「だったらアレでいきましょう。奈津美、呪文はね…」

茂「っしゃー、狙いはバッチリだぜ!いつでも来い!」


奈「えっと……弔いの木よ!牙を研……!」

豊「ストップストップ!そのネタはイラスト提供者に説教されるヤツ!」

茂「だーっ!途中で魔法止めさせんな馬鹿裕太!」


 ――ぽふっ。


茂「え」

奈「足元に刺さっちゃいましたけど」

豊「何か生えたぞ」

島「……草?」

菜「草生えましたね」

豊「魔法が中途半端だったせいで、微妙な技になったか」

菜「これはさすがに草」

豊「二度言ってやるな」

茂「こんなん草生やすしかねーだろクソかっこわりいいいいい!!」

島「まあ……無傷で済んだから、いいや」

奈「戦意喪失させたので、効果アリと見ていいんでしょうか」

豊「興を削いだと言った方が正しい気がするけど」

菜「では!満を持して、お相手願います円香さん!」

円「よーし!負けないわよ菜々ちゃん!」

茂「って、まどちゃんの構え、アレどう見ても素手で応戦する気満々じゃね?」

豊「この世界に見てくれ通りの戦闘スタイルで戦うヤツなんてろくにいない…」

奈「で、菜々にかけるサポート魔法の呪文は?」

菜「えーとね、ごにょごにょごにょ…」

奈「……え、それ本当に合ってる?」

茂「今までの傾向から考えると、サブカルネタのパク……オマージュ的なので攻めてるっぽいけど」

豊「頼むから各所からお叱りを受けないネタにしてくれよ…」

菜「大丈夫ですっ。対策として、ちょっとアレンジ加えましたので」

茂「なおさら成功する気がしねー」

菜「さーて、いっきますよおー!たりゃあああああ!」

豊「転ぶなよー」

茂「んで、問題の呪文の方は…」


奈「悪!即!じゃーんっ!!」

菜「がっとちゅうううううう!!」

豊「アウトを回避しようとしてアウト寄りのアウトになってやがる!!」

茂「あとそれは槍じゃなく刀でやる技だ!!」

円「くっ!避けきれ……っ!?」


 ――ばるるんっ!!


菜「ふぁ」

円「いやーんっ!!」

田・安・島「うおおおおおおっ!?」

茂「興奮すんなし、おっさん共…」

豊「ギリギリで見切られて刃傷沙汰は免れたけど、下手に掠って衣装を裂いただけでこれほど形勢が変わるとは」

奈「菜々、頑張ったよあんたは。ちゃんと急所狙えてたし、槍の使い方も正しかった。だからね、えと、そう落ち込みなさんな?」

茂「ちょっと身を捻ったくらいじゃ避けらんねーよ。まどちゃんのけしからんパイオツはなっちゃんと違って…」

菜「わあああああん!カナちゃんさんの馬鹿ああああああ!」

豊「傷口を塩で抉るヤツがあるか馬鹿シゲ」

茂「わり。バストネタは鉄板でウケると思って」

円「もおー!衣装は魔法で直せるからいいけど、もう手加減してあげないんだから!」

茂「白魔法って万能なんだな」

豊「感心してる場合か」

円「田辺さんっ!こうなったらてってーてきにお仕置きしちゃってください!」

田「おっ。やってやっかあ?」

菜「タナンベエ様ですね」

茂「その流れで行くとまどちゃんは、マドンジョ様か」

豊「何その微妙に親しみやすそうな悪玉キャラっぽいネーミング」

円「ぼーっとしてないで、あんた達も加勢するんだよぅ!アダッチー!シンマダー!」

安・島「あらほらさっさー!」

豊「はしゃぐなおっさん共!」

茂「世代ドンピシャだから余裕で便乗できるんだろうけど!」

奈「どこまでがネタなのか本気なのかもう何もかもわからない…」

円「もー!いいからさっさとやっちゃってー!」

茂「やべ、ヤケクソできやがったぞ!どうする!」

豊「くそっ、戦意喪失した菜々ちゃん庇いながら、なんとか…!」

菜「うがーっ!こうなったら、奥の手を!」

豊「え、そんなのあるの」

菜「特殊召喚です!」

茂「なっちゃん万能すぎじゃね」

奈「召喚って、何を召喚するつもり?」

豊「もう登場人物は『伝説の剣士』枠以外、一通り出尽くしたはずだけど…」

菜「ななさーんっ!!出番だよーっ!!」

茂「は?」


ななさん「はーーーーーいっ☆」

豊・茂・奈「なんかちっちゃい子きたあああああ!!!」


菜「どうですか?秘技『ロリななさん召喚』大成功ですっ」

奈「わー……本当に小さい頃のあんたそのまんまじゃないの」

な「あいっ」

茂「裕太、感想は?」

豊「……」

菜「ちなみにこのななさん、7歳くらいにしておきました」

豊「うぐっ…」

茂「ロリコンを確実に動揺させることにも大成功してんな」

豊「いや、あの、この子召喚して、どうするつもり?」

菜「思いっきりぶちかましちゃいます。はい、ななさんっ。エネルギーチャージ!」

な「んにょにょにょにょにょ……!」

茂「うおっ!全身発光しだしたぞ!?」

豊「マジで何かます気だ!?」


菜「いっけええええ!!ななさんビーーーーーム!!」

な「むっぴゃーーーーー!!!」


 ――ちゅどーーーーーん!!!


円・安・島「わあああああああああ!!!」

豊「なんつー破壊力…」

茂「口からビーム吐く絵面やっべえな…」

な「むぴゅううぅぅぅ……!」

奈「あ、飛んでっちゃった…」

菜「一撃の反動がすごいからね。ちっちゃいななさんは飛びやすいんだ」

田「だー!わけのわからんトンデモ技かましてきやがって!」

豊「わけのわからん状況は終始変わらない気もしますが、ともあれ敵はあんたで最後だ田辺さん!」

茂「四対一なら田辺さん相手だろうと楽勝だ!覚悟しやがれください、ってなあ!」

田「へっ!余裕ぶっこいてっと痛ぇ目見るぞガキ共ぉ!」

菜「豊島さんとカナちゃんさんもひっくるめて『ガキ共』呼ばわりは、かなり違和感ありますねえ」

奈「アラフォーとアラフィフなら、まあ歳の差はあるでしょうけど」

田「そっちが秘密兵器かましてきやがるなら、こっちもとっておきをくれてやらあ」

菜「ふへ?」

田「野郎共!!やっちまえ!!」

茂「そういう台詞、田辺さんに似合いすぎな件」

豊「展開的にそんな悠長なこと言ってられない気も…」


 ――わらわらわらわら…


奈「ちょっ!色んなところから大群が!?」

茂「どこにスタンバらせてたんだこの大人数!」

豊「しかもこいつらまさか、全員……野田!?」

量産野田『ナナサンナナサンナナサンナナサン…』

菜「いやあああああ!!気持ち悪いいいいいい!!」

豊「くっそ!大群で形勢逆転させた上に、ピンポイントで菜々ちゃんのSAN値を着実に削りにきてる!」

茂「どうすんだ囲まれたぞ!明らかに数百人規模のこんな軍団相手、無理ゲーすぎる!」

田「はーっはっはっは!泣いて降参しようが、もう遅ぇからな!おめーらもここで終わりだ!」

奈「しっかりして菜々!このままじゃやられちゃう!」

菜「もういやあ!誰かっ……誰か助けてえええええ!!」


?「――そこまでよ!」


菜・奈・豊・茂「…………え?」


挿絵(By みてみん)


田「なっ、なんだあ!?」

?「誰が呼んだか奇跡の歌姫…」

奈「名乗り口上始めちゃってるけど、あの人も知り合い?」

豊「知ってるも何も……!」

?「幾多の心に刻まれし七色のビート!聖なる剣で魂まで刻み込め!」

菜「なんか難しいこと言ってるけど、本当に本物の……!?」

ケイナ「伝説の剣士ケイナ!!華麗に参っ上!!」

茂「うおおおおお!!マジモンのケイナ様じゃねーかやっべえええええええ!!」

菜「かあっくいいいいいい!!」

奈「……いつもこんな感じなんですか?」

豊「……こんな感じだよ。ケイナ信者のこの二人は」

田「んだよ、びっくりさせやがって。ただのちょっと色っぺーねーちゃんに何が出来んだあ?」

ケ「ただのねーちゃんだと思って油断してたら、頭と胴体がサヨナラすることになるよ」

田「ぬかせ!女一人増えたくれーでビビるかよ!イキるのは俺の手下共を蹴散らしてからにするんだなあ!」

菜「やっちゃえケイナー!」

ケ「よーっし、いっくぞおー!!」


 ――ズバババババババババババババ!!!


豊「はあ!?チート級に強すぎてまともに目で追えねえ!」

奈「実際にあんな強い人なの?スタント経験あるとか?」

菜「格闘技とか剣術とかの経験あるって話は聞いたことはないけど、ダンスやってるから体動かすことは慣れてるだろうね」

茂「すっげ……無双ゲー並みの爽快アクションに、ケイナ様の相乗効果で、俺もうどんな顔したらいいかわかんねー…」

菜「笑えばいいと思いますよ」

豊「笑うしかねーよこんな置いてけぼり展開…」

奈「あっ!まだ攻撃を受けてない敵が、一斉にあのお姉さんに!」

豊「不意打ちか!避けろケイナ!」

ケ「ふふっ。だったらこの一撃で、一人残らず片付けてあげるわ!」

菜「一撃って……ふぁっ!?剣を捨てた!?」

田「血迷ったか!おとなしくやられ……!」


ケ「アタシの歌を聴けええええええええ!!!」


菜・豊・茂「絶唱きたこれええええええええ!!!」


田「なにィ!?あのねーちゃんを中心に、量産野田がばったばったぶっ倒れだしただとお!?」

奈「すごい……これが、歌の力……!」

茂「ケーイーナッ!ケーイーナッ!」

菜「ふっふーうっ!」

豊「落ち着けケイナ狂信者!」

奈「すっかりライブ会場になっちゃってる…」

田「うおおおおお!頭がっ、頭がいてええええええ!」

豊「悪玉にだけ通用するご都合主義能力か」

ケ「アタシの歌は世界に愛と平和をもたらすのよ。さあ、みんなまだまだいけるよねーっ!?」

菜・茂「いえーいっ!!」

田・円・安・島「いえーいっ!!」

量産野田『ワアアアアアアア!!』

奈「敵がみんな復活した!?」

豊「歌の力で平和というか、混沌を極めすぎてある意味平和か…」

ケ「アンコールも張り切って、いくっぞぉー!!!」




 ――こうして世界に平和が戻り、伝説の剣士ケイナの歌声は遠き地の果てまで響き渡り続けたという。


 一応、野田への恨みつらみをぶつけてすっきりしたので、クエストクリアとみなされた菜々一行だったが、クエスト報酬は即興ライブで大成功を収めたケイナの出演料として根こそぎ持って行かれてしまったので、手ぶらで元の世界に帰ったのだったとさ。

現代小説のキャラクターが絵的に映えないのなら、ファンタジー衣装を着せちゃえばいいじゃないというノリで、盟友・羽柴和泉様にいただいた豪華イラストから構想を得た、しっちゃかめっちゃかファンタジーパロ。創作期間も文字数も途方もなく費やしたそれなりの大作、とても楽しく書き上げることが出来ました。

挿絵を用いて初めて書く小説は、本当に本っ当に楽しかったです。

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