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ブラックキャンディ
潔白に宿る 一点の黒
些細なことで 広がって
やがて球になり 面前に表れる
直径2cm程のそれを舐めると 暗い闇の味がした
ひどく退屈なんだ
心が溶け出して
寂しさが広がっていく
舐めれば舐めるほど
球は大きくなっていく
思わず噛むと
世界は闇だけになった
どこまでも続く
明かりのない道を
ひたすらに歩いていく
何も見えなくて
悲しい 怖い
空しい けど
死神
死神
孤独
虚無
ほら もう すぐ だよ
出口が見えてきた
(だけど入口だった)
漆黒に潜む 一点の白
僅かな心 飲み込んで
やがて零になり 時間は戻らない
直径1mm程のそれを舐めると 消えて無くなったんだ
僕は誰になったのだろう?
こころをぬりつぶした終点