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さえずりは悲鳴 / 夜の冷たさ
「さえずりは悲鳴」
鳥は自由なんかじゃない
地上に降りたら人間に殺されるから
空を飛んでいるだけだ
翼なんて無くても良かったんだ
ただ居場所を見つけるために
仕方なくその羽を広げる
気が付けばビルがたくさん建っていて
"空"がどんどん消されていく
自由だなんて夢のまた夢
いつしか全てに逃げるように
天を目指して飛んでいくだろう
何にもない本当の自由へと
向かって…………………………………………………………
「夜の冷たさ」
夜の空を見上げて
夜の空に吹かれて
それだけで
涙が出そうになる
(でも涙は出ない)
夜の雲に混じって
夜の月が照して
それだけで
幸せになれるような
(でも幸せになれない)
春が来れば、暖かくなります。




