あった・マキタ と まきののおわり
あった・マキタは夜にやってきた
頭には北から来た印字
暖まるにはいい時間だった
まきののおわりは ただ、そこにいた
「まきののおわり?」
そう問いかけると 虚しい音がした
薪の切れた暖炉 忍び寄る悪魔
あった・マキタは探していた
ここには何かがあるかもしれないし
何もないのかもしれない
まきののおわりは概念である
「まきののおわり。」
扉はいつの間にか開かれていた
傘を失くした蝙蝠たち
あった・マキタは 姿を消した
糸を切らしたミシンが止まることはない
書き置きにはティアドロップの象形画
まきののおわりはまきののおわり
「まきののおわり。」
ただ、そこに居るだけ
ただ、まきののおわりだけ