表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/627

71.スキルの実験終了

昼寝をして、起きたら夕食の時間になった。


フランベルジュは広げていた宝物を片づけ、くつろいでいた。

アウレネは弓矢作り、シルフ婆さんは編み物をしている。


俺は適当にその辺の蜘蛛を4匹ほど捕まえ、念のため【解毒】スキルを使う。


そして手作りの銅の鍋を取り出し、油を敷く。


かまどで火を焚き、油が良い感じに熱したら、人間の手の平サイズの蜘蛛を投入。


ジュワアアアという音を立て、時間とともに蜘蛛の色がだんだんと茶色がかってくる。

よし、そろそろいいか。


俺は手作りの銅のフォークで蜘蛛の素揚げフライを皿に乗せる。

おいしそうだ。



「……にゃんこさん、私は遠慮します~」


「バステト様、蜘蛛はちょっと……」


「キュオオオオオン(よくそんな気味の悪い物、食えるのである)」



この素敵な食べ物が理解できないとは、悲しい奴らだ。


俺は蜘蛛のフライをかじる。

フライドチキンの味がする。

う~ん、デリシャス。


言うまでもなく油物は猫の体には良くない。

太ってしまう。

この俺みたいにな。


他の奴らには鬼顔熊という熊の唐揚げを作ってやろう。

角が生えている怖い顔の熊だ。


唐揚げといえば、最初に作った時は、俺がこうして小麦粉や片栗粉と卵を絡めて揚げるのを不思議がっていたな。

アウレネやシルフ婆さんは見たことのない料理だと言っていた。

塩だけで味付けしている。醤油やニンニクがあればもっと美味く出来るのだが。


それ以降、たまにこうして唐揚げを作ってやっている。

俺も食いたい。

さすがに体に悪いから自重しているが。



「にゃん(出来たぞ)」


「おお、唐揚げです~!」


「キュオオオオン!(何だその料理は! 美味そうである!)」



そういえばフランベルジュには唐揚げを作ってやったのは初めてだったな。

口に合うといいのだが。



◇ ◇ ◇ ◇


夜。

俺は残りのスキルを試してみる。

まずは【※傾聴Lv1】だ。


その辺の小鳥を捕まえ、スキルを使えーと念じる。



「ぴぃっ!(ひぃぃぃ、怪獣に食われるー?!

助けてお母さーん!)」



……。


俺は小鳥を放してやった。


このスキルは、狩りの時には使わないようにしよう。

罪悪感がハンパない。


次は【※念動力Lv1】だ。

ターゲットはそこの小石。

うおー、動けー。


おお、動くぞ。

手を触れていないのにコロコロと転がる。


さらに浮かんだり、地面にめり込んだりする。

面白いスキルだ。


スキルを切って使用MPを見ると、MPがとんでもなく減少していた。

このスキルは燃費がとても悪いらしい。


その後実験してみて分かったことは、このスキルは1秒に2ほどMPを消費するらしい。

しかし、動かす物の重さや数を多少増やしてもMP消費量は変わらないらしい。


よーし、次は【※縮小化Lv1】スキルだ。


念じると俺は1cmくらいに縮んだ。

付けている腕輪やポシェットも俺に合わせて小さくなった。


ふむ、このスキルも、1秒に2ほどMPを消費するんだな。

なるほどなるほど。


俺はスキルを解除し、元の大きさに戻った。

これでスキルの実験終了だな。


MPがごっそり無くなったし、もう夜も遅い。

寝るか。


俺はシルフ婆さんに『おやすみなさい』と書く。



「バステト様、おやすみなさいじゃ」



ウッドハウスに入り、木箱に入る。

思えばこの木箱も使用して3年目か。

未だに使えるのは、物が良いからなんだろう。


おやすみなさい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ