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62.【四次元空間】は人前で使わない方が良い


ネルが起きた後は、マック君が持っていたトランプで俺達は遊ぶことにした。


俺は猫なのにどうやってカードを持っていたかだって?

見てくれよ、この黄金に輝く鉗子かんしを。


俺はそれなりに器用なので、鉗子でカードを傷つけるようなヘマはしない。

女性を扱うようなソフトタッチでカードを操作する。


今行っているゲームはエイト。

ジョーカーを除いた52枚のカードを用いる。


プレイヤーには最初、7枚の手札を配り、残りのカードの山は場に置く。

山札をめくり、それと同じ番号かマークのカードを手札から出す。

ただし8の札は、好きなタイミングで出すことが出来る。

その場合は、マークを指定する。

出すカードは1ターンにつき1枚。


順番にターンを回し、手札を減らしていくのだが、出せるカードが無くなったプレイヤーは山札からカードを引く。

引いたカードが出せるカードなら出してターン終了。

出せないカードなら、もう一度だけカードを引く。

出せるなら出し、出せないならターン終了。


これを手札か山札のカードがなくなるまで続ける。

手札が無くなったら、そのプレイヤーが勝利。

山札が無くなったなら、手札のカードの点数を、8が50点、KQJが10点、他は数字通りの点数として計算する。

そして手札の点数が少ない人が勝利となる。



「わーい。私の勝ちー」



ネルの手札が無くなったので、ネルの勝利だ。



「ネルー、ご飯よー。

ニコさんもどうですか」



ナンシーさんがネルを呼びに来た。

マック君も飯をご馳走になることにしたらしい。



「すみませんお姉さん。

食事代はきちんと払いますので」


「いいえー、たくさん肉があって困ってたから、遠慮しないでくださいな」



そういえば、この世界、冷蔵庫が無いのか。

保存が効かないというのは不便だな。


……そうか。

だから【四次元空間】が重宝されているのか。


だが、このスキルを使っている人は今のところ見かけていない。

多分希少なのだろう。

アウレネにも以前、悪用されると警告されたが、そういうことか。


マック君に『【四次元空間】が使える奴は少ないのか?』と聞く。



「んー、勇者くらいじゃないかなぁ。

それも、容量はせいぜい肉4塊くらいだから、業務用で使うには厳しいかなぁ」



ふむ。20kgくらいの容量か。


ん?

俺の四次元空間には野球場が一杯になるくらいの溶岩が入っていたりするんだが。

それにまだまだ入る感じだ。


俺の【四次元空間】は、勇者少年達の物よりハイスペックらしい。

確かに、これは知られたら悪用されるな。

俺をよく知ってる人の前以外では使うのは自重しよう。


そう思いながら、ナンシーさんが用意してくれた無調味料の鳥肉スープを頂くのだった。

うむ、美味い。



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