【後日談8】3話 2026年2月22日 猫の日
・魔獣都市マタタビ とある町の住人視点
今日は猫の日だ。
だがその前に、魔獣お風呂大作戦の日でもある。
猫の日と同日開催だからということで、今日は魔獣幹部達が奮発して、多少良いシャンプーを用意してくれている。
うちのご主人様も洗ってもらい、ふんわりモフモフになって帰ってきた。
そして祭りのため出て行った。
ま、今日は猫の日だから、祭りで食べて、また少し汚れて帰ってくるだろうけれど。
1時間後、ご主人様が帰ってきた。
アークベンガルとかいう種類の魔獣で、人間2人分くらいの大きさの、ヒョウ柄のぶち模様な魔獣だ。
「にゃんにゃ(よーすただいま)」
「おかえり……って、血まみれー!!??」
「にゃんにー(ああこれはだな……)」
そして、事の詳細を伝えられた。
おいおい肉球魔王様……。
◇ ◇ ◇ ◇
数分後。
・トミタ(猫)視点
ここは魔獣都市マタタビ、警察署の取調室。
なぜか俺は連行されて、ここにいる。
俺は警察のグレーの毛皮のネコ科魔獣に話す。
「にゃー(マグロの解体ショーって、盛り上がるじゃないか。
だから俺は思ったわけだ。猫の日に解体ショーをしようと)」
「みみ(……それで?)」
「にゃー(生きた巨大鬼牛を、魔獣都市マタタビの広場に連れ出して、その場で締めたわけだ)」
「みみ(それで?)」
「にゃー(解体ショーの始まり。周りは大盛り上がりだ。肉はその場で焼いて売り捌いた)」
「みみま(それを見た商人達が、生きた食用魔獣の解体ショーを開始し始める。都市中が血まみれになり、一部魔獣は逃げて公共物を壊して都市に損害を与えた。大混乱を巻き起こした)」
「にゃー(俺は悪くねぇ)」
広場で解体ショーをするのは、きちんと魔獣幹部に許可をとってあるんだぞ。秩序を守らなかったのは他の連中じゃないか。なのに、俺だけこんなところに連れてこられるだなんて。酷いじゃないか。
「みみ(肉球魔王様、ご自身の影響力を過小評価し過ぎです。もう少し慎重に立ち回ってください)」
「にゃー(俺は悪くねぇ)」
「みみ(都市中のネコ科魔獣が触発されて、もっと解体ショーが見たーい!、って血に飢えてます。どうするんですか)」
「にゃー(俺の責任じゃねぇ)」
「みみ(もう! せっかく今日は、お高いシャンプーで皆、綺麗だったのに! 今は皆、血まみれになっちゃってるじゃないですか!!
事態が収束するまで、ここで居てもらいますからね! 外部への連絡も一切禁止です!)」
「にゃー(人権侵害だー)」
「みみ(訳の分からない事を言ってないで反省してください)」
牢屋に連れてこられ、そこに放り込まれた。
くそう、酷いじゃないか。
俺はただ楽しんでもらおうとしただけなのに。
俺は、猫をダメにするソファーを四次元空間から取り出して、そこに飛び乗って丸くなる。
やれやれだぜ。
出ようと思えば、金を積むなり、無理やり脱出なり出来るが。
しばらくは大人しくしておいてやるか。
2日くらいで出られるだろう。
……。
ぞろぞろぞろ。
「ぶみゃああ(ひぃいん、ごめんなさーい)」
「ガルルルル(つい出来心で……)」
「みみー(謝って済めば警察はいりません。ここに入って反省してください)」
「離せ!」「捕まってしまった……」「あれ~? にゃんこさんじゃないですか~」「みゅ~(もっと解体させろにゃ、血を所望するにゃ)」
無申請で無秩序に解体ショーをやらかした実行犯の商人のネコ科魔獣や人間達が捕まり、牢屋に連れてこられたようだ。
何人か知ってる奴が居た気がする。騒がしい。
「にゃー(うるさいぞ)」
これじゃ昼寝が出来ないじゃないか。
今日はここで昼寝をすると決めたのだ。
何が何でも昼寝させてもらうぞ。
俺は四次元空間から段ボールを取り出し、牢屋の壁にペタペタ貼り付ける。
これで牢屋の防音性はばっちりだぜ。おやすみ~。
その後、俺は牢屋を改造したことを怒られたのだった。




