620.【後日談7】猫パ その22
前回までのあらすじ
猫パもいよいよ終盤。第3種目のゲーム、バトルロイヤル相撲が開始された。
・トミタ(猫)視点
「にゃー(よーし、まずは場所移動だ。俺についてこい)」
「ピィ(もう作戦を試すのかよ?)」
「にゃー(違うな。それに、このゲームには致命的な欠点がある)」
言いつつ、俺達はリングの中央へと向かうのだった。
天井にはそれぞれの班の残機がディスプレイ表示されており、最大30。
しかし、一部の班の残機がみるみる間に減少しているのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
・大鍋商会会長、橘若菜視点
猫パの最初の班対抗ゲーム、バトルロイヤル相撲が開始されてすぐのこと。
高身長の黒髪男、ダンジョンマスターの伊乃田命が、急きょ別室に運営チームを集めた。
「俺はネコ科魔獣の自由さを舐めていた」
伊乃田命は顔を両手で覆いつつ、呟いた。
「何でこいつら、リングの境界線を行ったり来たりして遊んでるんだよ!?
相撲だっつてんだろうが!」
「ゲームのルールが難解過ぎたのかもしれんのう」
一部の幼いネコ科魔獣達が、境界線の縄の周囲で遊んでいた。
しかも境界線を出たり入ったりしながら。
当然、そのネコ科魔獣の所属している残機が減る。
あーあ、チームキャットタワー、チームちゅるるーん、チームがちゃがちゃボール、チームベッドの残機が無くなっちゃった。
残機の無くなったチームは全員、境界外へと強制転移させられた。
もちろん境界内へ再入場できない。
『にゃー(このゲームの致命的な欠点、それはネコ科魔獣の集中力が低いということだ)』
『ピゥ(どういうことだよ?)』
『にゃー(つまり複雑なルールを説明されたところで、完全に把握出来ている者はごく少数。
そしてきちんと取り組むことが出来る者も少数。
さっきの宝探しでもそうだっただろう)』
『みー(では中央へ向かっている理由は?)』
『にゃー(単純に、巻き込まれ防止だな。あと、漁夫の利も狙おうかと)』
『おぁーん(漁夫って、お魚をくれる人間なのだー)』
肉球魔王様がリーダーの、チーム爪とぎの会話内容が別室に響く。
「どうするの?」
「脱落した班を再入場させるわけにはいかねーからな……残っている班だけでもきちんとゲームになるように、ルール追加だ」
こうして急きょルール追加が行われた。
『にゃ!(ルールが追加されたよ! 個人で5回以上残機を減らしたネコ科魔獣は、再入場不可だよ!)』
『にゃー(ルール追加し過ぎだろ。あと個人じゃなくて個猫?)』
『にゃ!(ごめんね~)』
猫又によるアナウンスが会場に響く。
バトルロイヤル相撲は始まったばかり。




