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59.オマケが重い

肉屋は南の方にあった。

威勢の良いオッサンが声を上げている。



「らっしゃい! 今日はギルドからワイバーンの肉が卸されたぞ!

今ならお買い得! 1塊金貨2枚だ!」



1塊は、見た感じ5kgくらいだ。

金貨2枚は20万Gか。

高いのか安いのか分からないが。



「おじさん、鳥のお肉ちょうだい」


「ん? お嬢さん、鳥って言っても、バッドクロウからハニーバードまで色々あるからなぁ」


「宿の料理に使うの!」


「宿屋のお使いか! ならこのグレイターチキンの肉だな!

1塊銀貨2枚だ!」



ネルは銀貨3枚渡す。



「まいどっ! お嬢ちゃん可愛いから、半塊オマケして2塊だ!」



オッサンは気前よく肉を売ってくれた。

それをネルは持つ。


そして宿への帰り道。



「お、重いよー……」



そりゃ10kgも肉を持てば重いわな。


俺が手伝おうとしたら、向こうから走ってくる茶髪の少年、違う、少女が。

錬金術師のマック君だ。

ニコと名乗っている。茶髪はカツラだ。



「うわぁあああああ! 猫さんじゃないか!」


「はうっ」



ネルは驚いて転び、肉の包みを落としてしまった。



「む? この包みは肉?

君、どうしたんだい? こんなたくさんの肉」


「お客さんのスープに入れるの」



ネルは立ちあがりホコリを払う。



「ボクが運ぶのを手伝ってあげよう」


「ありがとうございます」



マック君はひょいと包みを持ちあげる。



「……ボクでもかなり重いよ、これは。

猫さん、ちょっと待っててね。

この子の手伝いをしてくるよ」


「お姉さん、猫さんと知り合い?」


「えっ、君、ひょっとして猫さんと親身にしてるのかい?!

良かったら話を聞かせて欲しい!」



呼吸を荒げてネルの顔に迫るのはやめろマック君。

ネルが引いてるじゃないか。



「いやー、錬金術の材料を買いあさっていたら、猫さんとその知り合いに出会えるとは!

ボクはなんてツイてるんだ!」


「猫さん、この怖い人、誰?」


『マッ……ニコって名前』と書く。



マック君はニコニコしながら、俺達と宿屋へ向かった。


宿に着き、『ここまででいい』と書いた。

が、マック君は俺とネルから話を聞きたいらしく、宿の中まで付いてきたのだった。



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