４．超お年寄り
食虫注意。
森の中は薄暗い。
手入れがほとんどされておらず、木が無造作に生えている。
さて、何か食べ物はあるかな、っと。
俺は木の幹にジャンプし、あたりを見渡す。
……４ｍくらい飛んだけど、俺のジャンプ力、猫だとしても異常じゃね？
まあいい。
それよりも食べ物だ。
あの草はヨモギか？
いや、トリカブトっぽいな。
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『スキル【鑑定Lv100】を使用しました』
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鑑定結果
名前：魔毒草
説明：致死性の毒を根に生成する植物。
山菜採りの素人が手を出し、死亡する例がある。
毒矢に使われたりもする。
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俺があの植物をよく観察しようとしたら、視界にＶＲビジョンみたいな文字が表示される。
んん？ スキル？ 何だそれ。
『スキル【鑑定Lv100】を使用しました』
って表示されている。
使用者は俺、だよな？
スキルとは日本語訳で能力や技能。
とすると、俺には【鑑定Lv100】という技能があるらしい。
……自分で言ってて意味が分からない。
Lv100とか書いてあるし、まるでゲームの中みたいだな。
俺は自分の前足を見つめ、鑑定しろー、と念じる。
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鑑定結果
名前：トミタ・ミナモト
Lv：１（２０歳）
種族：猫
スキル：【鑑定Lv100】【四次元空間Lv100】
【経験値100倍】【習得Lv100】
ステータス：
HP 1,370/1,370 MP1,020/1,022
ATK231 DEF264 MAT355 MDF240 SPD397 INT256 LUK101
異世界に転移した茶トラの猫。元は人間だったらしい。
ドラゴン並みの強さと耐性を持つ。
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俺の鑑定結果が出てきた。
トミタ・ミナモトは、俺の生前の名前だ。
漢字で源富太。
そして俺は２０歳に若返ったらしい。
元々４１歳だったから、２１歳も若返った。
やったね。
……待てよ？ 猫の寿命って１０歳前後だよな？
俺って超高齢猫？ もうすぐ死ぬ？
まあいい。
大事なのは今を生きることだ。
具体的には、今晩のおかずをどうするかという問題だ。
俺は草の影にいるバッタを発見する。
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鑑定結果
Lv：２（０歳）
種族：レッサーホッパー
スキル：なし
ステータス：
HP 6/6 MP1/1
ATK3 DEF1 MAT0 MDF0 SPD7 INT1 LUK1
ただのバッタ。
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幹からバッタ目がけて飛びかかる。
そしてパクリ。
野良猫の主食は虫だからな。
当然食べられる。
エビの味がする。
人間はマネすんなよ？ 生の虫は寄生虫がヤバいからな。
食べたいのなら焼いて食うんだぞ。
俺はその辺にいるバッタを１０匹ほど食し満足したので、穴のあいた倒れている木の中に入り、丸くなった。
おやすみなさい。
感想で質問があったので追記。
レッサーホッパーは弱すぎるため、主人公に経験値は入りません。
ステータス差がありすぎると格下を倒しても経験値が入らない仕様です。
スキルの事は事前にハーディス様から聞いていたはずですが、主人公はなろう系の知識が無かったので、この時点でようやく実感が湧いてきた感じです。
