595.【後日談7】雑貨屋クローバー新聞 特集『やってはいけません集』ネコ科魔獣編
・雑貨屋クローバーの壁に貼られた手作り新聞の、とある1ページ
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
雑貨屋クローバー店長のヨツバです。
今月の雑貨屋クローバー新聞の特集を担当させていただきます。
テーマは特集『やってはいけません集』ネコ科魔獣編です。
◇ ◇ ◇ ◇
お昼頃。都市の外の草原にて。
私は、白い猫が口をモッシャモシャしているのを見かけました。
「みゅ~(美味いにゃ~)」
「あっ、あなたは猫さんの友達のリリーさん。
って、何食べてるんですか」
「みゅ~(草にゃ)」
「ふーん」
数時間後。
担架に乗せられて、ゴーレムによって病院に運ばれているリリー。
「にゃー(よりによってゴッドタマネギの葉っぱを食べるとか、何考えてんだ)」
「みゅ~(刺激的な味だったにゃ……)」
リリーはゴッドタマネギの毒素による重症の溶血性貧血で、危うく死ぬところでした。
ネコ科魔獣の皆さん。あなた方は肉食ですよ。
興味本位で草や花や実を食べてはいけません。死にますよ。
◇ ◇ ◇ ◇
夜。雑貨屋クローバーにて。
普段はホムンクルスに任せている時間ですが、気まぐれで店番中。
ドダダダダダダダ!!
店内を走り回る黒ブチ模様なネコ科魔獣が3体。
「みー(鬼ごっこだー!)」
「んまぅ(鬼から逃げてるような、逃げてないような)」
「あんなー(鬼ごっこで、ダッシュで、店内をびゅん!)」
ダダダダダ! ズドン!
どこかに体をぶつけたっぽいです。
コロコロコロ。
ぶつけられたのは、床の上で寝ていた猫さんでした。
むくり、と猫さんが起き上がります。
「にゃー(こら! 危ないだろお前らー!)」
「みぁー(怒られたー!)」
「んまー(怒られたような、怒られてないような)」
「あーんなっ(怒られて、ダッシュで、店内をびゅん!)」
猫さんとネコ科魔獣が追いかけっこを始めました。
いや、猫さんまで参加しちゃ駄目でしょう。
3分後、オリバーによって網で捕まえられた猫さん+3体のネコ科魔獣は、たっぷりお説教されました。
ネコ科魔獣の皆さん。屋内で運動会を開いてはいけません。狭いし危ないです。
体を動かしたいのなら、お外に行きましょう。
◇ ◇ ◇ ◇
同じく雑貨屋クローバーにて。
ゴロゴロゴロ。
雷鳴が聞こえてきます。
今日は天気が悪いです。
空は黒く、雨が降っています。
黒ブチ模様のネコ科魔獣の1体、通称アンニャさんが、ガラの悪いボサボサ毛皮なヒョウ柄ネコ科魔獣に絡まれています。
「ななぅ(雷に打たれると……おへそを取られるんだぜー!)」
「あんなー(ひぃぃ)」
「ななぉぉ(おへそだけでなく……おへそ周りの毛も無くなるんだぜー!)」
「あーんなっ(ひぇぇ)」
ネコ科魔獣は、色んなタイプの能力を持っています。
このアンニャさん、実は現実改変能力なるものを持っています。
今日、高所で作業をしていた人間の男が、雷に打たれて病院に運ばれました。
その件に関して、翌日の夜、中央広場にて魔獣幹部の会合が開かれました。
「んなー(病院に運ばれた男ですが、命に別状は無かったようですぞ)」
「うみゅう(なら問題ないんじゃない?)」
「んなぅ(問題はそこではありません。その男は毛深かったのですが、何と……)」
写真を見た皆が息を呑みます。
何と男のおへそが無くなっていてツルツルになっていて、さらにおへそがあったと思われる場所の周りの毛だけ、ごっそり無くなっているのです。
猫さんによって、原因はアンニャさんの現実改変による自然現象の一時的な書き換えだったと分かりました。
今後数ヶ月は、雷に打たれたらおへそが大変なことになります。
いいですか?
アンニャさんの前で、怖い話とかしちゃ駄目ですよ?
現実に起きてしまいますからね。
【追記】
この新聞の記事を発表した翌日、まぐろちゅるるーんが空から大量に降って来るという怪奇現象が起きました。
そしてぐったりしたアンニャさんの姿がありました。
誰かアンニャさんに、まぐろちゅるるーんの雨が降ればいいなー、とか話しましたね?
駄目ですよ、アンニャさんを使って欲望を叶えようとするのは。
世の中等価交換です。アンニャさんは、魔獣都市マタタビの全員にまぐろちゅるるーんを奢ったのと同じ金額相当の消耗をしてしまいました。
猫さんが治療しなければ死んでいたことでしょう。
アンニャさんの力は、猫さんが預かることにしました。
なのでアンニャさんに叶えて欲しい夢を延々と語るのは、無駄なのでやめましょう。
それくらい自力でなんとかしてください。




