3.3色カラー対応
俺は家の屋根にジャンプして昇り、城の外の町を見る。
城の近くや大通りは石で舗装されているが、他は土がむき出しの道だ。
建物は石造りの家がメインらしい。
そして、俺は重大なことに気づく。
「にゃー(視界が3色カラー対応だと?!)」
そう。赤色が見えるのだ。
猫には本来見えていない色、赤色が。
城の絨毯も確か赤だったな。
つまり俺は猫ではない。
猫ではないはずだ。
体が睡眠を求めて、屋根の上で丸くなっているが、決して猫ではないぞ。
ああ、太陽の日差しが気持ちいい。
……。
……スヤァ。
◇ ◇ ◇ ◇
俺が目を覚ましたのは夕方になってからだった。
いかん、昼寝なんてしてる場合じゃなかった。
これからのことを考えねば。
まず第一に衣食住の確保だ。
……衣、服が必要なのかは後回しでいいか。
とにかく食事だ、食事。
腹が減ったぞ。
町の西(太陽(?)が沈んでいる方角だから多分西)に森がある。
そこに行って何か探そう。
俺は入院中の暇つぶしに、
Yo○tubeでサバイバル動画をこれでもかってくらい見ていたのだ。
適当な野草でも食ってしのげばいいだろう。
……待てよ? 猫って野草、食べられるのか?
まあいい。とにかく行ってみるか。
森までの道の途中、きれいな川があったから俺は喉を潤した。
水面に映っている俺の顔は、やはり猫だった。