表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/627

28.錬金術師、風呂に入る

・錬金術師マクドーン視点


ボクはマクドーン・ハウエル。

今は偽名で『ニコ』と名乗っている。


外れの小屋で研究してただけなのに、研究成果が戦争に役に立つと分かると色んな国の連中が目の色を変えてボクを捕まえようとした。


追跡を逃れ、旅費も食料も尽きてフランベルの森で何か食べるものを、と探索してたら道に迷ってしまった。


森で猫さんに助けられていなければ、あのまま野垂れ死にしていたことだろう。


あの猫さんは、四次元空間、ライトの魔法を使っていた。

もしかすると聡明な魔法使いが変身していただけなのかもしれないな。


今度会ったら、改めてお礼しよう。


コンコン。部屋がノックされる。



「ニコ様! 風呂の用意が出来ております!」


「ありがとう」



体はかなり汚れていて、汗もかいている。

水で拭けばいいやと思ってたけど、まさか風呂を用意してくれるとは。


風呂なんて王族や貴族しか使えないはずだけど、ボクは王様のお客さん扱いだからかな。



◇ ◇ ◇ ◇



大きな木の桶みたいな風呂は、体を伸ばしても浴槽の端に届かないくらいには広かった。


うん、気持ちいい。



「勇者様! ただ今ニコ様が入浴中です!」


「だからどうした? 俺は入るぞ。

汗が酷いからな」


「ニコ様は大事な来客です!

失礼のないようにお願いしますよ!」


「わかったわかった」



ん? 扉の向こうから声が聞こえる。


がちゃり。



「あー、来る日も訓練、訓練。

ったく、やってらんねーよ」



黒髪の男の子が入って来た。裸で。



「隣入るぞー」


「え、ちょっと待っ」



ざぶーん!



「はー、生き返る!

風呂上りのコーヒー牛乳があれば最高なんだけどなー」



何で平然としているんだろうこの男の子は。

風呂って男女が一緒に入ってもいいのだろうか?



「にしても、お前イケメンだな。

体もすらっとしてるし、まるで女……んんん?」



男の子はボクの下半身を見て、顔を赤くする。



「女かよ?! くそっ!

どうしてあの兵士、止めなかった?!」



言いつつ急いで彼は出ていった。


そしてボクも温まったから風呂から出る。


布で体を拭き、着替えを着て自室に戻って寝た。


翌日、王様一同から謝られた。

ボクのことを男だと思っていたという。


別に自分のことを美少女だとかは思ってないけど、ちょっと傷つくなぁ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あ、ここで明らかになるのか。女の子だったのねw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ