27.文字を鑑定してみた
翌朝、ネルと別れ町から出て森の我が家へ帰る。
そして、錬金術師のマック君がくれた本を取り出す。
それをパラパラとめくるが……読めない。
文字も鑑定できればいいのになー。
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鑑定結果
名前:異世界言語
説明:広く使用されている言語で、
地域によってなまりがある。
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お、鑑定結果が出てきた。
だが、俺が知りたいのは文字一つ一つについてだ。
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鑑定結果
名前:異世界文字
説明:『う』と読む
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鑑定結果
名前:異世界文字
説明:『にゃ』と読む
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何だと! 文字一つ一つが鑑定出来るだと?!
俺は今まで文字は鑑定出来ないものだと思い込んでいたが、これなら、独学で文字が覚えられるぞ。
その後、どうやら単語も鑑定することが出来るらしく、俺はそれを一つ一つ木の板にメモしていた。
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この異世界言語、文字の種類はアルファベットに相当するものが20種類、数字に相当するものが11種類あるらしい。
マック君が渡してくれたこの本は『錬金術師ニコラスの栄光』というタイトルの小説っぽい。
本はかなりボロボロだ。
おそらくマック君のお気に入りの本だったのだろう。
俺はありがたく教本として使わせてもらうことにした。
ネルが読んでくれた本の知識と合わせれば、日常会話くらいは出来るレベルになるだろう。
問題は、俺が猫語しか喋れないことだが。