236.ご意見箱
雑貨屋クローバーにて。
俺とヨツバの案により、ご意見箱を店内に設置した。
森のエルフによる木製の箱だ。
『こんな商品が欲しい、これは駄目だと思う、こんな店が良い等、何でもご意見をください』
と書かれた木のプレートを横に設置する。
箱の前には紙と鉛筆もどきを置いている。
箱の横に空けた穴から、意見を書いた紙を入れるのだ。
箱の上には俺が乗って、まったりすることも出来る。
「駄目よぉ猫さん。そんな所に登っちゃ」
シャムに抱き上げられ、箱から降ろされた。
ご意見箱が使用される様子を観察するためだったのだが、仕方ない。
代わりに、商品棚の陰から顔を出し、ご意見箱を見ることにした。
「旦那はアレで隠れているつもりなのか?」
「可愛いわぁ」
二人にからかわれつつ、途中で客にモフられつつ、観察を続けた。
◇ ◇ ◇ ◇
観察結果、本日の使用者0人!
何でだ!
夕方、宿に向かいヨツバと緊急会談だ。
ちなみにナンシーさんは食事の後片付けをしている。
「まあ設置したばかりですし、とりあえず1週間は待ちましょう」
「わーい、あったかーい」
ネルにぎゅっとされながら、俺は紙に文字を書く。
『使用者が0人のままだったら?』
「その時はその時です」
1週間後、ご意見箱にやっと1通のご意見が。
『宝石ビーズ教室をもっと安くしてください。
気軽に参加できません』
ヨツバは笑顔で意見の紙を破った。
何て事しやがる。
俺はヨツバに説教をすることにした。




