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230.愛されたくて その2


「茶室に猫?」



女子高生の紅葉はキョロキョロしている。



「にゃー(もしもし)」


「私は死んだような気がしたのですが……ハッ!

これはもしや噂の転生というやつですか?!」



うーむ、俺の言葉は通じないか。


タイプライターを取り出し、文字を打つ。

『こんにちは』



「タイプライター?!

なるほど、喋れないけど知性のある猫さんですか!

つまり猫神ですね!

何を打ってあるのかはサッパリ分かりませんが!」



つまりの使い方がおかしいぞ。

知性がある猫が全員猫神なわけがないだろう。


あと、タイプライターは異世界言語だったので通じなかった。

仕方ない、板に文字を書くことにしよう。

鑑定で日本人っぽかったので、日本語なら通じるはずだ。


ではさっそく、【記憶サルベージ】を使ってみよう。

こいつの記憶を覗くことが出来るのだ。

死後に何が起こったかも見ることが出来る。


茶室に液晶テレビが現れる。

座って、紅葉と一緒に見る。

ふむふむ。代表的な出来ごとが解説付きで、ダイジェストで流れる感じだな。


卯月紅葉うづきくれは

卯月家の長女として産まれる。


卯月製パン株式会社社長令嬢として、英才教育を受ける。

物心つく前に母と死別。

父親は忙しい人で、娘の教育を使用人に任せる。


しかし、紅葉は手間のかからない子どもで、使用人が教えられることが徐々になくなる。

この頃、父親が再婚したが、その再婚相手は保険金詐欺師だった。

後に父親が殺されることとなるが、当時は事件性に誰も気づかなかった。


父が死んで、紅葉は笑顔を見せなくなる。

学園では冷たい態度で言い寄る男子をあしらい、女子の付き合いには参加せず、いつしか冷帝と呼ばれるようになった。


家では勉強の合間に、小説家にニャろうを読んでいた。

使用人が仕事をサボって読んでいたのを見とがめ、そんなに面白いのかと読み始めてハマったらしい。


そんな生活が4年続き、ある日紅葉が交通事故で死んだ。


再婚相手は、誰も見ていない所で大笑いしていた。

自分の財産がまた増える、と紅葉の死を喜んでいた。


世の中にはこんなクズも居たのか。反吐が出るぜ。


しかし紅葉が死んだ頃に、再婚相手の所業を警察が嗅ぎつける。

再婚相手は警察から逃走途中で事故死した。


この後の情報も見れたのだが、紅葉が泣きだしたのでテレビを切った。



「父の再婚相手が私を邪魔に思っていたのは知っていました。

でも、まさか父を殺していたなんて……」



紅葉の嗚咽が止まらない。



「血は繋がってませんでしたが……仲良くしたかったのに……

褒めてほしくて……友達付き合いを断って……勉強も家事の手伝いも……たくさんしたのに……

全部無駄だったんですね……」



30分くらい泣いていただろうか。

泣きやんだ後、【エディット転生】を使用する。


そして板に書く。

『これから転生させるけど、何か希望あるか?』



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