異世界で猫になりまして

１章

１８．どしゃ降り

今日はあいにくのどしゃ降りだ。

毛が濡れるのは嫌だから、ツリーハウスに引きこもっているとしよう。

暇つぶしに四次元空間から木を取り出し、深皿を作る。

６枚くらい作った。

それを外に置く。

雨水を溜めるのだ。

ビュオオオオオオ……。

風が吹くと体が濡れる。

テントの時と違い壁が無いからな。

余ってる木材は、壁を作るほどの量はない。

作るとしたら、新しく切り倒してこなければならない。

だが今出ていったら確実にずぶ濡れになる。

まさにジレンマ。

ビュオオオオオオ……。

ああ、お皿が飛ばされた！　

そして雨が冷たーい！

くそっ、晴れたら壁づくりだな。

手抜きせずに作っておけばよかった。

俺は残った木をカツオブシ並に薄く切り、それを捻（ねじ）って紐を作る。

ツリーハウスにもこれと同じやつを使っている。

草を煮詰めて紐にする方法もあるが、鍋も火もない今は無理だな。

同じ作業を延々と繰り返し、大量のヒモを作った。

四次元空間に収納っと。

雨が上がったのは夕方になってからだった。

俺は家から飛び出す。

さぁ、材料採取開始だ。

多めに採っておこう。