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14.料理レシピじゃねーか!
翌日、俺は町の宿屋に行く。
「あー! 猫さんだー! いらっしゃーい!」
ノックをしたら、ネルが出迎えてくれた。
「あら、猫さん、いらっしゃい」
奥でナンシーさんがニコニコしている。
大人達と話をしているみたいだった。
「ママはお仕事が忙しいから、部屋で遊んでていいわよ」
「うん! 猫さん、こっちだよー」
俺はネルに連れられて、部屋に入った。
「で、奥さん。バジリスクってのは白い大型の蛇でして……」
◇ ◇ ◇ ◇
「今日はこっちのご本、読んであげるねー」
「にゃー」
この子、別の本も読めるのか。
なかなか賢い子だな。
「黒パンの作り方、材料は小麦、水……」
って、これ料理レシピじゃねーか!
俺はナンシーさんの仕事が終わるまで、延々と黒パンの作り方を読み聞かせてもらった。
おかげで黒パンの作り方をカンニングペーパー無しで言えるようになったぜ。
そして夕食の時間にはスープをもらった。
やがて暗くなったので、3人で一緒に寝た。
ああ、ベッドの寝心地は良いな。
今度、干し草で作ってみるか。
おやすみなさい。




