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後日談1 戦天使のウワサ (前編)

ここからは本編から数日後、数年後の話をランダムに投下していきます

屋敷にもどってからモニカや、エリザベス様に戻ってきたことを報告すると、泣きながら抱きつかれたり、心配させたことを怒られたりした。

高壁で一緒に戦った衛兵のおじさんにも会うことができ、共に生き残れたことを喜び合った。


数日間がたち、落ち着いて屋敷の仕事に戻れるようになり、今日はお使いのために外出していた。


「あの、ユエさんですか?」


道をあるいてると急に呼び止められて、振り向くと小さな女の子がもじもじと手を合わせながらたっていた。


「ありがとうございます、あなたのおかげでお父さんが戦争から帰ってこれました」


なんのことだか、わからないから聞き返そうとしたらペコリと頭を下げて女の子は走っていってしまった。


そのあとも、見知らぬ若い男性から握手を求められたり、街を巡回中の衛兵から敬礼を送られた。

だれかと勘違いしてるのかと思ったけど、道行くひとがわたしの方をむいて話していた。


屋敷にもどりもやもやした気分のまま、アレキサンダー様にお茶を淹れていた。


「あのー、つかぬことを伺いますが、この半年でわたしのウワサが街中に流れているのでしょうか?」


アレキサンダー様はわたしをみて、いぶかしげな顔をしたので、今日あったことを説明した。


「よし、おまえがいなかった半年間のことを説明してやろう」


アレキサンダー様はわたしに向き直り、投げやりな感じで説明を始めた。


「まず、確認するのは帝国軍の指揮官を倒したのはおまえだな」


「はい、そうです。少しでも追撃が緩めばと思って倒しました」


「そうか。では、そのあとの戦況の変化はしっているか」


指揮官の護衛たちと兵士を倒したあとのことはしらなかった。


「オレが国軍と一緒についたころ、砦内に帝国軍は残っておらず、さらに砦前に布陣していた兵士も撤退したを始めていた」


そうだったのか、指揮官をたおしたことがそこまで影響をだしていたとは驚きだった。


「次に説明するのは指揮官をたおしたやつのウワサについてだ。そいつは派手な名乗りを上げてから、帝国兵に大立ち回りを演じ、そして見事ひとりで指揮官をたおした」


「ふむふむ」


「倒したやつを目撃したものは敵味方多数いてな、そいつの特徴は髪が白く、小柄な少女であった。」


「ほうほう」


「そのとき、国軍は到着していなかったからうちの領兵のだれかがその英雄様だというわけだ」


「えーと、つまり、その特徴に合致するわたしが、指揮官をひとりで倒して帝国兵を撤退させたっていうウワサが流れてるってことですか」


「そのとおり!!よくわかったな」


アレキサンダー様はわたしの肩をばしばしと勢いよく叩いた。


「いまでは、英雄様の呼び名として戦天使が定着して、巷ではその戦天使様が街に戻ってきたというウワサが流れているな」


それを聞いて、恥ずかしさのあまり顔に血が上った。


「そういうわけで、あまり目立つ場所にいかないことをオススメするぞ、戦天使殿」


アレキサンダー様はからかうような口調でいってきた。


それから数日後、恥ずかしいあだ名をつけられたことを知って、やるせない思いをしながら屋敷の掃除をしていると、大きな声が入口の門の方から聞こえてきた。


「この方はサンクレッジ伯爵家の嫡男ファビョアン様なるぞ。下々のものは控えよ」


声のしたほうをみると、執事風の男が衛兵にくってかかり、その後ろで背が低く小太りな男が胸をそらしながら立っていた。


埒が明かないのでアレキサンダー様が呼ばれて、門のところまでやってきた。


「ファビョアン殿、急な来訪は困るな」


「これはこれは、アレキサンダー殿。戦争でのご活躍は耳にしておるぞ」


ファビョアンはわざとらしい作り笑いをしながら近づいたが、アレキサンダー様は迷惑そうな顔をしていた。


「それで、何の用だ」


「そなたの使用人に戦天使の少女がいると聞いてな、ぜひわたしに譲ってもらえないだろうか」


「そのようなものはうちにはいないな、お引取り願おう」


「ネタは割れているぞ、白い髪をもち小柄な少女が屋敷でメイドとして働いていることは街の人間からきいている」


アレキサンダー様はつっぱねるようにいったが、ファビョアンは引き下がらず、まくし立てた。


「もうひとつ、戦天使には獣のような耳が頭にはえていると聞いている。頭をみればすぐに本人だと確認できるな」


「我が屋敷にはそのような面白い特徴のものはいないな。どうやらファビョアン殿はウワサに踊らされているようだ」


アレキサンダー様が嘲笑するように笑みをうかべた。


「あくまで、しらをきるつもりか…… 今日のところは、これで引いてやる!!」


ファビョアンは肩をいからせながら門をとおり、門の前に横付けされていた馬車に乗って離れて行った。


ファビョアンがいなくなったのを見届けてから、門の前に仁王立ちをしているアレキサンダー様のもとに近づいた。


「アレキサンダー様、かばっていただきありがとうございました」


「ふん、あいつはもともと気に入らないやつだったんだ。珍品展示会でも金にものをいわせて集めたものを展示するだけで、品物に対する情熱もないやつだった」


以前から確執があったようで、ファビョアンに対する文句を続けた。


「だが、おまえに会いたいというやつはあいつだけじゃない」


戦天使に一目会って見たいという申し出が他の貴族からもきたらしい。


「おまえ自身がいないので断ることができたが、続くようなら対策が必要だな」


アレキサンダー様はあごに手をやりながら考えをめぐらせていた。


長くなったので3分割します


活動報告のあとがきのような所感を載せました。

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