33. 朝チュン
10,000PV達成しました、ありがとうございます。完結までこのままがんばりたいと思います。
朝日が差してきて目が覚めた。寝たときと同じようにアレキサンダー様の胸に抱え込まれていた。
今日はプレンジア領へ出発するのでそろそろ起きなくてはならない。
「アレキサンダー様、起床の時間です」
「なんだ… もう少し寝かせろ」
アレキサンダー様は寝ぼけながら目を開けた。
「おはようございます」
「・・・」
わたしは笑顔で挨拶すると、アレキサンダー様は腕の中にいるわたしを見て固まっていた。
「…これは、夢なんだな」
どうやら現実逃避することにしたようで、また目を閉じた。
「アレキサンダー様、おきてください」
「どうしてこうなってるんだ!!」
もう一度声をかけると、アレキサンダー様はすぐに体を起こし呆然とわたしを見ていた。
ようやく拘束を解除されたので、ベッドから降りて乱れた髪の毛や服を整えた。
あーあ、ドレスを着たまま寝たからしわになってる。
「それでは、朝食を用意してきますので失礼いたします」
わたしは使用人部屋にもどり、メイド服に着替えてジョスさんの手伝いにむかった。
食堂でエリザベス様とアレキサンダー様が席につき、わたしは給仕をした。
アレキサンダー様は二日酔いのようだったので、二日酔いに効くメニューをジョスさんに頼んだ。
朝食の席でアレキサンダー様が、チラチラとこちらを見ていた。
「あなたたち、なにかあったの?」
「い、いや、なにもないぞ!!」
いぶかしげに見ているエリザベス様に、アレキサンダー様があわてた様子でごまかしていた。
別宅の玄関前で、わたしは馬車の御者席にすわり、ジョスさんが見送りのために立っていた。
「またいらっしゃる日をお待ちしております」
「ジョスさん、ありがとうございました~」
別れを告げて、馬車を走らせプレンジア領を目指した。
途中フェアウッド領に寄って、エリザベス様を屋敷まで送った。
エリザベス様は、羊毛関連についてフェアウッド領とプレンジア領の間の取引の調整をするために、フェアウッド領で自分の手足となる人材を育成中らしい。
それが片付けば、プレンジア領にすぐにでもいくといっていた。
フェアウッド家の面々に見送られながら、プレンジアの町を目指して出発した。
「アレキサンダーさま、お加減はいかがですか」
「ああ、問題ない」
フェアウッド家で一泊して、二日酔いがなおったようだ。
泊まったとき、フェアウッド家の領主をふくむ面々が右往左往しながら対応して、アレキサンダー様は苦笑をずっと浮かべていた。
昨日までは、馬車のゆれで頭痛がひどく頭を押させていたが、今はふつうに座っている。
天気がよく、御者席に座ってるととても気持ちよかった。
「おい、おとといの晩にあったことを教えろ」
わたしが、のんびりとした気分でいるとアレキサンダー様が声をかけてきた。
昨日からチラチラとこちらを見てなにかいいたそうにしてたが、二人になるタイミングを見ていたのか。
「公爵家から別宅まで戻ってきたところは覚えているのだが、気づいたら朝になってておまえがな、その…」
いいよどんでいるので、その先を平坦な口調で説明した。
「あの夜、お酒を召したアレキサンダー様にベッドに
引きこまれ一晩抱かれて寝てました」
「お、おまえ…」
アレキサンダー様は絶句したあと、顔を紅くさせながら口をぱくぱくさせていた。
「安心してください。アレキサンダー様の考えているようなことはなかったですから」
こらえきれず笑いながらいうと、アレキサンダー様は大きなため息をついた後がっくりと肩を落とした。
わたしはアレキサンダー様の様子をみながら、ああ、こんな日がつづけばいいなと思った。
日常話のおわり、その先になにがあるのでしょうか




