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30. アレキサンダーの逆襲

区切れがよかったので短めになりました


次の日、ひさしぶりに帰ったプレンジアの街を見て回るといってオルレアン様は出かけていった。

その間に、裏庭の訓練場でアレキサンダー様に作戦を伝えた。


「…本当に、こんなので勝てるのか」


「ええ、もちろんです。アレキサンダー様らしい方法だと思っております」


いぶかしげな表情をするアレキサンダー様に、胸をはりながら返事をした。


オルレアン様が街の視察から帰ってきてから、アレキサンダー様と食事をすませて、食後のお茶を飲んでいた。


「父上、今日も稽古をつけていただけないでしょうか」


アレキサンダー様からの申し出に、オルレアン様は少し驚いたようにピクリと表情を動かした。


「いいだろう、ついてこい」


裏庭に向かうアレキサンダー様の足取りはしっかりとしたものだった。

二人は昨日と同じように木剣を構えて向かい合った。


「参ります、父上」


上段に構えた剣をアレキサンダー様は、すばやく振りおろした。

オルレアン様は体を半身にしてよけ、剣を叩き込もうとした。


「くっそ」


アレキサンダー様は転がりながらなんとかよけた。ひざ立ちの状態になったところに、オルレアン様が切り込んできた。


地面につけていた手で地面の砂をにぎり、オルレアン様の顔めがけて投げつけると、オルレアン様は顔をしかめがら目を手でおおった。


「ぬおっ」


「もらったぁぁぁ!!」


叫び声をあげながら、アレキサンダー様は……

剣を投げつけた。


「なにぃ!!」


目潰しをくらい、突っ込んでくるとおもって構えてたようだが、予想外の攻撃に対応できず、体を倒してなんとか回避するのが見えた。


そこに、腰にさして隠しもっていた短めの木剣をもってアレキサンダー様が突進していった。


剣をふりかぶって、倒れたオルレアン様に当てようとしたところで、足払いをかけられて転ばされた。

起き上がろうと地面に手をつけたところで、先に立ち上がったオルレアン様に、顔にむかって剣を突きつけられていた。


「参りました」


両手を挙げながらアレキサンダー様がいうと、オルレアン様が剣を下げた。


「アレキサンダー、成長したな。なかなかおもしろい工夫だったぞ」


笑いながらオルレアン様は、手を差し出し、アレキサンダー様を立ち上がらせた。


「だが、甘いぞ」


つかんでいた手をつかって、立ち上がらせた勢いを利用してアレキサンダー様を投げ飛ばした。


「ち、ちちうえ!?」


「戦場ではどんな手をつかっても構わないが、油断が命取りとなるぞ」


ニヤリと笑いながら、背を向け離れていった。

笑い方がイタズラしてきたときのアレキサンダー様にそっくりで、目潰しされた仕返しにやったんじゃないのかと思った。


アレキサンダー様のほうを見ると、なげられたままの状態で仰向けになっていた。


「申し訳ありません。作戦は失敗でした」


「いやいい、父上を慌てさせることができただけで上出来だ」


空を見上げながら満足そうな顔をしていた。


次の日、オルレアン様は砦に戻っていった。

見送りしているときに息子のことを支えてやってくれといわれた。


オルレアン様の世話をしていたのは、主にクロードさんとメールビットさんで、わたしは特に絡みはなかったはずなのだが、なぜか信頼されているようなことを言われた。

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