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パル  作者: 山葵
7/32

007 初討伐

「ふわぁああ」

ギルドの依頼掲示板前で大あくび。

「おはよう。どの依頼受けるか決めた?」

「ふわぁあー。おはようございますアレグラさんんん…」

「あはは。眠そうね」

「昨夜はノンちゃんが運動会して眠れなくて」


 猫は夜行性である。だいぶ私の生活サイクルに慣れたとはいえ、たまに夜行性スイッチが入る。昨夜は部屋中を走り回った後、ネズミ10匹とヘビ1匹捕まえてきた。相変わらずの捕獲名人である。


「ん~。今日もモプ花とホポの若葉にしようか」

MP回復薬とポーションの材料なので常時発注だ。

「ニャー」

ノンちゃんが隣の依頼を前足でペシペシする。

「これがいいの?」

「ニャー」

「…ノンちゃん確実に文字読めてるよね」

「ニャッ」

なにそのドヤ顔!元々頭良かったけど、これは加護のおかげだと思われる。ラクビトならぬラクネコ?

「ニャニャッ!」

ペシペシッ

「わかったわかった。…これ、一番遠い畑だよ。しかも討伐系じゃん」


《 ランクF  一本橋の先の畑のモグー退治 報酬…1匹につき30N 》


「初討伐にちょうどいいと思うよ。ただの駆除だし報酬もいいし、ノンちゃんもできるでしょう」

アレグラさんが後押しする。

「ニャーー」

自慢げに鳴く。腹が立つけど否定できない。


 モグーとはいわゆるモグラだが歯が極端に出ている魔物で、野菜の根を食べまくるだけで襲っては来ない。普通は畑の所有者が自分で処理するのだが、数が多すぎる為ギルドに依頼したらしい。

自立には先立つものは必須。そろそろ懐に余裕を持っておきたい。

「よし、やってみよう!」



 ***


 畑へ行く前に雑貨屋に寄ってモグーが苦手とするトガーラ液を購入。巣穴にかけまくる → かけた穴から出てこられない →  かけなかった穴を見張る → 出て来たらモグラ叩きの要領でスコップで殴る

私が逃してもノンちゃんが逃すはずがない。狩り上手いもんなぁ。しかもトカゲとか私が苦手なのをわかっていて見せに来る。ノンちゃんは絶対にSだ。断言する。


「よし。この穴で待とう。逃げたのがいたらノンちゃんよろしくね」

「ニャッ」


 穴の前でスコップを構えて5分。モグーが頭を出した。ボコッ!出た。ボコッ!


 一時間で24匹。8匹逃したがノンちゃんが余裕で狩る。得意気に咥えてくるのが憎たらしい。ちょっと大振りしたら当たらなかっただけじゃん。


 そのうち穴からモグーが出てこなくなった。43匹。大量だ。これは作物がやばかったわけだわ。

 討伐証明部位の前歯をパキッと折ってリュックへ。他は食材や材料にもならないので穴を掘って埋めて処理。


 次は隣の畑だけど、お腹がすいたしお昼を食べてからにしよう。

「ノンちゃん。あっちの丘でお弁当食べるよ」

丘に向かって歩きだすがノンちゃんがついてこない。

「どうしたの?」

まだ穴を見つめている。


 シッポの毛がボワッと逆立っている。


 ヤバい。なにかいる。


2015/01/16 金額一桁変更。

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