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恋愛短編

告白

作者: 鵜狩三善

 ──あなたの事が嫌いです。



 あなたとわたしが出遭って、もう一年にもなるでしょうか。

 そうです。出遭ったのです。

 あなたは私にとって災難でしかなくて、文字通りの遭難です。

 だから当然ですけれど、私はあなたが嫌いです。

 あなたの事が大嫌いです。

 あなたの事が、本当に、大嫌いなのです。


 誰にでも差し伸べる、その手が嫌いです。

 誰へも優しいあなたは、きっと誰にも優しくないのです。

 誰だってあなたの特別には成りえないのです。


 誰よりも速い、その足が嫌いです。

 誰かの為には一番に駆け出すくせに、自分の為には決して立ち止まらないから。

 誰ひとりとてあなたの助けにはなれません。


 誰とでも親しむ、その闊達(かったつ)さが嫌いです。

 誰に怯えた事も、心を守る殻を必要とした事もないのでしょう。

 誰の心にも容易に忍び込んでかき乱して、なのにあなたはそれを当然としか思わないのです。


 不意ばかりを突く、その口が嫌いです。

 無責任に私の欲しい言葉を見つけないでください。


 遠くばかりを見る、その目が嫌いです。

 もっと近くも見てください。気がついてください。


 ちゃんと、伝わりましたか?

 わたしはこんなにも、あなたの事が嫌いです。 

 本当に。本当にどうしようもないくらいに。

 あなたの事が、嫌いです。



 ──返事を、どうか聞かせてください。

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[良い点] 難しい恋心が上手く表現されていると思いました。好きだからこそ、嫌い。 相手がみんなの人気者で、何でも出来てしまって自分がどうして良いのか解らないから・・・嫌い。 [一言] こえ部で使う…
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