第四話:新たな絆と迷いの夜
森の奥の隠れ家カフェは、ゆっくりと夜の帳に包まれていた。リゼットは窓辺に座り、揺れる炎の灯りを見つめながら思案していた。
「魔女狩りの者たちが動き出した……」
そんな不安を胸に抱きつつも、彼女は決して臆することはなかった。隣にはエルナが静かに座り、リゼットの手を優しく握っている。
「リゼット、怖がることはないわ。私たちはあなたと共にいる」
エルナの声は揺るぎない力を持っていた。
その夜、カフェには新たな客が訪れた。若い商人の少年、フィン。彼は明るく好奇心旺盛で、森の奥にあるこの不思議なカフェの噂を聞きつけてやってきたのだ。
「こんばんは! 噂のカフェって本当だったんですね!」
フィンは元気に挨拶し、リゼットは微笑みながら手作りのハーブクッキーを差し出した。
「ようこそ。ここは戦いに疲れた人たちが心を休める場所よ」
フィンはクッキーを頬張り、その優しい味わいに目を輝かせた。
そのとき、カフェの奥の扉がかすかに揺らいだ。リゼットはそっと扉を開け、異界のダンジョンを覗き込む。
「ダンジョンもあなたを歓迎しているわ」
フィンは驚きと興奮を隠せなかった。
「こんな場所があるなんて…夢みたいだ!」
カフェの中で交わされる温かな会話。外では、魔女狩りの影がますます濃くなっていたが、リゼットは新たな絆と希望を胸に、迎え撃つ覚悟を固めていた。