こんなに「素敵な」大阪万博2025
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は4月13日に開催した「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにしている大阪万博の「素敵なところ」を挙げていこうと思います。
◇IRのための万博
質問者:
これまでの論調を知っている身としては「素敵なところ」って敢えてそう表現されていることに何か陰湿さみたいなものを感じるのですが……。
筆者:
まぁ、そう言わずに(笑)。
まずはそもそもこの夢洲で万博を開催すること事態が「立地的な問題」が存在するんです。
24年6月9日には『夢洲にヒアリ550匹 大阪、万博工事影響なし』と言う記事がありました。
強毒を持つ南米原産のヒアリの働きアリ約550匹が見つかったというものでした。
これは、環境省が毎年実施する全国港湾調査で発見されたものです。
※今年の調査はまだなので今現在はどうなのかは分かりません。
質問者:
強毒のヒアリが出るだなんて怖いですね……。
筆者:
夢洲と近くの咲洲にはコンテナヤードもありまして、ヒアリリスクが高い地域だからだと言われています。
日本も水際対策をしているのですが、どうしてもアリは小さいですし海外からの荷物を検査しても限界があるのです。
次に25年4月6日には引火すれば爆発の恐れがある濃度を超えるメタンガスが検知されました。
メタンガスは無味無臭の可燃性ガスで、直接的な毒性はないのですが、高濃度になると酸欠や爆発を引き起こす危険性があります
24年3月にも同じ場所で工事作業中に引火する事故が起きていたのでこの地域に高濃度になるに至る「何か」があると思われます。
質問者:
爆発したら怖いですね……。
「命が輝く未来社会のデザイン」がテーマみたいですけど、いつかは命が爆発しそうですね……。
筆者:
僕は批判する立場ではありますが、そうならないことを祈りますけどね。
最後にこの万博には特定の避難所が存在しないんですね。
防災計画では地震発生後の緊急的な滞在場所である「一時滞在施設」として、万博会場内の催事施設、休憩所、パビリオン、大屋根リングが指定されているだけにとどまっています。
更に、夢洲はごみの焼却灰や浚渫土砂などで埋め立てた人工島なので、地盤が弱く、大地震の際の液状化の危険性が極めて高いとされています。
大地震後に最悪はトンネル一つで繋がっている島から脱出できない可能性もあると指摘されています。
15万人が夢洲に孤立した場合は4日分の食料で救助を待つほかないようです。
質問者:
ヒアリにメタンガスに軟弱地盤……。
こんなところでよく万博をやろうと思いますね……。
筆者:
全てはIRを含む統合型リゾートのためのカモフラージュです。
万博と言う皆が支持しやすいコンテンツを前段階に持ってくることによってその延長線上にある未来型の施設として統合方リゾートを宣伝したかったんでしょうね。
ただ前段階の万博で批判が殺到していることからそんなにプラス効果は無いと思うんですけどね。
大阪万博会場の隣地に25年4月24日からカジノ含むIRの本体工事が着工するそうです。
質問者:
万博の批判が集まったのは費用の膨れ上がり方ですよね。
大屋根リングやトイレにお金をかけ過ぎではないかと……。
筆者:
この大阪万博は利権の臭いが凄くするんですね。
批判が殺到した大屋根リングでしたが、それでも強行したのはそれだけの金が関係者に迂回して入るからだと思います
2兆円から3兆円の経済効果があると言われていますけど、
関係者の懐に金が入ることを「万博の経済効果」と謳っているんじゃないかとすら思ってしまいます(笑)。
23年秋の阪神・オリックスリーグ優勝パレードのクラウドファンディング5億円のうち4億円以上は企業寄付となりました。(この際、なぜか万博も相乗りして宣伝されまくった)
週刊文春の23年12月7日の記事ではこれら献金企業が続々と万博案件を受注させていっているということも分かっています。
60%以上が「1社応札」の状況だというのが最近の記事で分かっています、こうして万博の工事費用は物価高を遥かに上回る2倍近くになったのです。
23年11月27日には会場建設費とは別に、その時点で約837億円追加でかかることが分かっています。
今回はどうなっているのか分かりませんが、過去の東京オリンピック2020では10日しか入札期間が無く、ほとんど新規参入を許さないような状況もあったために、
これらには闇しか感じません。
質問者:
最低入札期間をもっと長くするべきですよね……。
筆者:
そんなわけで日本はもう展示物が開幕前の遥か前からありましたね。
「利権の博覧会」みたいな感じになっていると思います。
どこが受注したのか一覧表でもご覧になって「ずぶずぶな企業」を把握することも良いと思います。
※「利権博覧会」は参考までにこちらをどうぞ https://x.gd/wx4Gd
質問者:
誰でもいいので追及して欲しいところですね……。
筆者:
多くのお金を投じることによって良いものが出来るのであればまだ良いのですが、現実はそうではありません。
ついにインド・チリ・ネパール・ベトナム・ブルネイの5カ国のパビリオンは開幕に間に合いませんでした。
それでも前日には13か国がまだできていないという記事があったので、現地の工事施工業者はベストを尽くしたと思います。
◇満足度も悲惨
質問者:
大阪万博は「並ばない万博」を目指したみたいですけど、現実は入場するのにすら最大2時間待ち、くら寿司の待ち時間が8時間、万博会場を出るのに1時間も並ぶといった話もありました。
一体全体どうしてこんなことになってしまったんでしょうか?
目標は達成できないことはありますけど、いくらなんでも目標と落差があり過ぎでは無いでしょうか……。
筆者:
そもそもの想定では完全予約制のコンテンツだったので「並ばない万博」になる予定でした。
しかし、2023年11月30日から25年4月12日まで販売した大阪・関西万博の前売り券の総販売枚数が目標の1400万枚を大きく下回る約970万枚しか売れなかったようです。
これも相当共催している(利権)企業関係者に配りまくって“水増し”をした苦肉の策だと思うのですが、それでもこの有様だということです。
このことは途中から理解していたのか当初は販売予定が無かった当日券を25年2月19日から販売できるように決定しました。
恐らくは稼げるときに稼がないと大赤字になるために、今必死でやっているんでしょうね。1800万枚入場者数がいないと赤字のようなのでね。
現地の地図が少なく印刷をしてこなければ200円払わないと地図も貰えない、
フードコート使用料だけで50分550円、
480円から食べれる姫路駅えきそばが万博では神戸牛が使われているという理由でお茶碗サイズで3850円、
と小刻みに稼ごうという涙ぐましい商魂がつぶさに伺えます。
質問者:
なるほど、当日券を買った人の動きは予測できませんから思ったより並んでしまったという事なんですね……。
筆者:
また予約してきた方に対してもネットの電波が弱いために認証が出来ないといった悲劇も起きてしまいました。
この万博では「完全キャッシュレス」であるにも関わらず、こうした電波障害が起きてしまっては決済が困難になります。
何のためのこれまでの準備期間だったのか? 全く不明です。パビリオン建設に全振りしてしまったのだと思います。
ソフトバンクなどは4月14日までに自動車に通信設備を搭載した移動型基地局を配備したそうですが、懸念点は付きまといます。
携帯電話の充電場所が少なく充電は必ず持って行った方が良いと言われています。
質問者:
来られる方は何度も足を運べない方も多いでしょうに本当に酷いですね……。
筆者:
最大の注目だった大屋根リングも雨といの水が溢れたためか、真下を歩行しても傘をさしながら歩いていたそうです。
大阪万博初日の4月13日の最大降雨量は調べてみたら1時間3.5ミリだったためにそこまで激しかったわけではありません。
完全に設計ミスだと思います。
今後の季節からすると梅雨や台風が来れば大惨事になる可能性もあると僕は思っています。
SNSでは大屋根リングが歪んだような投稿もありました。
僕は文系畑で建築工学については分からないために何とも言えないのですが、
万博最終日までリングが持つのかすらも疑問視されるような有様です。
質問者:
あのリングには350億円もかけたそうですが、そのクオリティですか……。
筆者:
建築エコノミストの森山高至氏によると資材や人件費など合わせて180億円あれば大屋根リングは出来そうだということです。それに欠陥工事も含めれば相当中抜きで儲かっていると思いますね。
更に2億円かけたことで話題になったデザイナーズトイレは初日に壊れたことでも話題になりました。
これは純粋にトイレが壊れたというよりも、入り口と出口が別で、いつ出たか分かりにくいことからトイレのドアを破壊した来場者がいたようです(当初言われていた汲み取り式ではなく水洗式ではあるようですが)。
質問者:
普通はトイレに入ったドアから出てくると思って注目しますよね……。
怒って壊すのはどうかと思いますけど……。
筆者:
外国人の方の中にはモノに当たる方もいらっしゃいますからね。
ちょっと日本人の感覚では理解できない方もいると思います。
また、「未来の自分が分かる」とかいうコンテンツも携帯のアプリでも存在しているでしょ? とか思いますけどね。
世界各国の料理を堪能って言っても並んでいますし、国ごとのご飯は飲食店に行けばいいでしょ? とか僕は思ってしまいます。
質問者:
それでもパビリオンについての批判は少ない方だと思いますけどね。
お子さんによっては一生を変えるようなコンテンツに出会えるかもしれませんしね。
ただ私は防災計画が不十分そうだというのが不安を感じますね。
いつ地震が来るか分からないわけですからね。
埋立地だという事も気になります。
筆者:
立地自体が本来は酷いですからね。あんなところで万博をやろうという神経が全く分かりません。
問題なく閉幕まで迎えられればいいですけどね……。
もしも何か問題が起きたり、赤字になった際には政治家や推進企業は責任を取って補償をして欲しいところですね。美味しい所だけ持っていって責任を取らないだなんてひどすぎますからね。
何事もリスクとベネフィットの比較衡量だと思います。
どちらをどれだけ重く見るか。だと思います
万博でいうのならリスクはお金と時間と災害有事耐性が低いことがリスク(他は改善される余地はあると思います)。
ベネフィットは話題性や世界の展示が見ることができるということです。
質問者:
リスクについては稀だと思いますけど、起きてしまえば歴史的な一大事と言う感じですね……。
筆者:
まぁ、そもそも万博自体が廃れていくと思いますよ。
今は何でもネットで最新技術の紹介とかされていますからね。
3Dの技術を個人の家庭で体験できるようになる「デジタル万博」となれば壊滅的になると思います。
ただ、招致するだけで関係者にお金がジャブジャブ入ってくるような「利権」が関わっているために、「物理的な万博」と言うのはどんなに無意味になろうとも続けられていくとは思いますけどね。
質問者:
お話を聞いていると相当「利権」が関わっていそうなので、
闇深いですよね……。
筆者:
維新の会が苦境に陥っている自民党の予算案に賛成したのも、この万博の費用を負担してくれる予算にしてくれたからだと言われています。
質問者:
日本人を救ってくれない予算案をこの万博の予算のために賛成したとは……。
筆者:
それだけこの「果実」は美味しいのでしょうね。
ただ、このままだと僕は万博推進派に刺されかねないので(笑)、
最後に万博に行く大きなメリットを一つ紹介したいと思います。
「万博は実際はこうだったよ」っていうお友達や取引先との話題作りにはなるのかなと言う感じですね。
僕はテレビを持っていないのでどうなのか分かりませんが、ネットだけを見ていても連日色々なニュースでも取り上げられている感じもしますし、
間違いなく興味がある方も反対派も惹きつけるコンテンツだと思いますのでね。
質問者:
確かに今は始まったばかりと言う事もあって一大ムーブメントと言う感じがしますよね。
筆者:
ただ、ムーブメントは「マスコミが報道しまくる」ことであっさりとできてしまいますからね。
「自分軸」を持って意思決定や行動をしていくことが大事なのかと思いますね。
皆さんもそれぞれ自分で情報収集をした上で意思決定をしていただければと思います。
今後も「僕の軸」で政治経済を中心に語らせていただきますのでどうぞご覧ください。