41話 赤い手のひら
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【悟の一目惚れ 41話】
(つ、冷たくて…手に何かついてる…)
由紀は、自分の手のひらを見た。
(薄っすらと…あ、赤い……これって血…!?)
由紀は、恐る恐る自分の手のひらをスマートフォンのライトで照らした。
「!?…や、やっぱり……血…だわ……」
由紀の手のひらは、ところどころが赤く染まっていた。
べっとりとと言うよりは、手のひらに赤い斑点がいくつか付いていた。
由紀が抱いた疑念が、少し大きくなった。
「う、嘘よね…悟…」
由紀は、再び悟の手を取った。
自分の疑念が、間違いであって欲しい一心で。
(やっぱり…冷たすぎるわ…本当に氷みたい…)
そして…由紀の手に嫌な感触が伝わった。
それは、少しベトベトしていた。
(お願い…私の勘違いであって…!)
由紀は、手を離し、再びスマートフォンのライトで自分の手を照らして見た。
自分の勘違いであって欲しい一心で。
しかし…
「!?」
(や、やっぱり…血……! し、信じたくない…!)
先程、手のひらを見た時よりも、赤い斑点が増えていて、今は多数ある。
また、由紀が抱いた疑念が大きくなった。
「ガタガタ…ブルブル……」
由紀は、肩が震えだした。
唇も震えている。
表情は、青ざめている。
また、怯えている事がハッキリ分かる。
由紀は、怖くて仕方無かった。
先程から抱いている、疑念が現実となる事を。
それは、由紀にとって最も恐ろしく、起こって欲しくない現実だった。
さらに、ハッキリと言語となって、心の底から沸き上がってくる。
それは…
それは……
「悟の…死」
だった。
「嘘…! 嘘よ!! 絶対にそんな事は無いっ!!」
由紀は、今にも錯乱してしまいそうな自分を必死に抑えた。
「悟の死」という言葉を、必死に頭から振り払おうと、何度も首を左右に振った。
だが…
「!? …きゃあああーっ!!」
次の瞬間、甲高い由紀の悲鳴が、闇の中にこだました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。




