40話 由紀の慟哭
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【悟の一目惚れ 40話】
「悟!」
由紀は、一直線に悟に駆け寄った。
「悟! しっかりして!!」
しかし、悟は返事をしない。
閉じたまぶたは、開かない。
開く気配も感じられない…
「悟! 返事をしてぇっ!」
由紀は、泣きながら悟を揺さぶった。
だが、悟は返事をしない…いや、出来なかった。
「悟! 悟っ!!」
由紀は、必死に悟に呼び掛けた。
やはり返事は無かった。
「悟っ! 悟…さとる……さ…とるぅ………」
由紀は、ヘナヘナとしゃがみ込み、呼びかける声に力が無くなっていった。
とめどなく涙が流れ、もう止まらない。
「うっ…うっ……」
由紀は、両手で顔を覆った。
「う…うわあああぁぁぁんっ!!」
次の瞬間、由紀は、大声で泣いた。
だが、その泣き叫びは、悟に届かない。
悟の体は、硬直している。
ピクリとも動かない。
「さとるぅ……!」
由紀は、泣き叫びながら、ふと悟の手を取った。
(い、異常に冷たいわ…こ、氷を触ってるみたい……)
由紀は、冷たすぎる悟の手を取り、心の奥にある疑念が湧いた。
それは最も起こってほしくない事態だった。
また、由紀は気が付いていないが、悟は、まぶたを完全に閉じておらず、薄っすらと開いている。
例えるなら半眼を開いている状態だ。
しかし、その瞳に瞳孔が無く、真っ白だった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。




