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38話 走馬灯

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

【悟の一目惚れ 38話】


 将が、ナイフで襲いかかってくるのは明白だった。

 だが、悟にはどうすることもできない。 

 ただただ、死を覚悟するだけだった。


「や…やめろ…それを使えば銃刀法違反、殺人未遂…僕が死ねば殺人…罪が重くなるだけだぞ」

 

 ズキン…! ズキン…!!


 悟は、全身が激痛に襲われている。

 そして、懸命に声を絞り出し、訴えた。

 それは、最後の抵抗だった。


 (そ、そうだ…!! 彼の言う通りだ! や、やめろ…やめてくれ…俺…)

「う…うぅ…」


 将は、必死に自分に訴えかけ、少しだけ躊躇した。

 だが…

 ナイフを握りしめる力は、弱まらない。

 捨てることができない。

 パトカーのサイレンの音が徐々に近付いてくる。

 

「あっ! 来た!」


 由紀は、パトカーがサイレンを鳴らしながら、サンセットマリーナへ入ってくるのが見えた。

 将は、1度目を閉じた。

 しかし、すぐにカッと見開いた。


「う、うおおおおーっ!!」


 将は、雄叫びをあげた。

 とうとう、自我が消し飛んだ。

 それはもう人ではなく、恐ろしい悪魔だった。

 将は、ナイフを両手で握りしめて一直線に構えた。

 そして、猛然と突進した。

 獲物を捉える肉食獣のように。

 ナイフの切っ先が捉えているのは、悟だった。


 (よ、避けないと…)


 悟は、一直線に向かってくる将から、必死に身をかわそうとした。

 だが、全身を激痛に襲われ、動きが遅い。

 そして…


 ズキッ!!


「ぐっ!」


 膝に雷にうたれたようた衝撃が走った。

 激痛で立っていれず、うずくまった。

 そこへナイフを構えた将が一直線に突っ込んでくる。


「…ドクンッ!……ドクンッ……!!ドクンッ!!!」

 

 悟は、自分の心臓の鼓動が耳の奥に響いてきた。

 そして、自分に向かって、猛然と突っ込んでくる将が、スローモーションに見えた。

 鋭いナイフの刃が、少しずつ近付いてくる。

 自分の左胸を目掛けて。

 ナイフの刃が、満月に照らされて銀色に一際強く輝いた。

 次の瞬間…


 ガツンッ…!!


 鈍い音と共に、ナイフの鋭い切っ先が悟を捕えた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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