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37話 戦慄

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

【悟の一目惚れ 37話】


 将は、ふとポケットの中に手を入れると、長方形の物があり、それを掴んだ。

 少しだけ口角が上がり、不敵に笑った。

 再び、将の目から、自我が消えてしまった。

 変わりに、目にあるのは…

 狂気…

 そして…凄まじい殺意だ。

 まるで殺人鬼のように、将は、悟を睨みつけた。


「ゾクッ!」

 (恐ろしい…怖すぎる……)


 悟は、背筋が凍り付いた。

 悟は、暗闇の中から放たれる、凄まじい殺気に、心の底から震え上がった。

 

 (ふ…踏ん張れ! 俺! 由紀を守れるのは俺だけなんだぞ!!)


 悟は、必死に自分を励ました。

 そうしないと、今にも恐怖心に飲み込まれそうだった。

 拳に力が入る。

 更に唇を噛みしめた。

 拳からは、血が滴り落ちた。

 唇からも血が流れていた。


「フ、フフフフ……」


 将は、不敵に笑い、ポケットの中から物を取り出した。

 それは、先日購入した伸縮式のナイフだった。

 将は、迷わず、伸縮式ナイフの刃を伸ばした。

 刃渡り15センチはある。


 (何を出したん…!?)


 悟は、何を取り出したのか、気になった。

 だが、すぐに理解した。

 そして、続きの言葉が出てこなかった。

 悟は、血の気が引き、青ざめた。

 暗闇の中、満月の光に照らされ、銀色の光を放ち、輝いているのはナイフの刃だった。

 それは、人を殺すことができる凶器だ。

 悟に、ある言葉が浮かんでくる。

 それは、自分の死だった。

 死の一文字が、どんどん大きくなり、悟の頭の中を覆い尽くす。

 そして、心の底から恐怖心が湧き上がり、どんどん迫ってくる。


 ガチガチ……


 悟の歯が音を立てた。

 迫りくる死の恐怖に、心の底から震え上がった。

 悟は、逃げ出したかった。

 だが、体が動かなかった。

 そして、最後に美しい由紀の顔が浮かんだ。

 悟の脳裏に浮かんでいる、由紀は微笑んでいる。

 そして、思った…


 (由紀…ごめん。生きて会えないかも知れない…)


 と……

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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