34話 修羅場
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【悟の一目惚れ 34話】
「どけぇっ!」
「どくわけにはいかないっ!!!」
将は、大きな声で怒鳴りつけた。
しかし、悟は、将よりも大きな声で叫んだ。
悟は、真っ直ぐに将を睨みつけて、両手を目一杯広げ、立ち塞がっている。
(何てデカい奴だ。まともにやり合ったらとても敵わないだろう…だけど…だけど…ここは僕が食い止めるしかない…!!)
悟は、向き合っているだけでも恐ろしくて仕方が無かった。
しかし、悟は、由紀を守るため、決死の覚悟を決めて立ち塞がった。
仁王立ちになり、揺るがない。
「えぇい! 邪魔だ!!」
「由紀! 走るんだ!」
将は、構わず強引に通ろうと、悟に飛び掛かり、揉み合いになった。
ドカッ!
バキッ!!
「ぶっ殺してやる!!」
「ぐぁっ!」
(い、いやぁ…やめてぇっ!!)
後方から鈍い音と共に、将の怒鳴り声と悟の悲鳴が響いてくるが、由紀は、振り向かずに一直線に車に向かって走った。
「うっ…うっ……」
由紀は、手で口を覆い、両方の瞳からは、涙がこぼれ落ちていく。
(悟…無事でいて…)
由紀は、祈りながら懸命に車に向かって走った。
(こんなチビのどこにこんな力が…!)
(今は死んでもこの男に食らいつく…!)
体格で勝る、将のほうが力が強く、悟は何度も振りほどかれそうになりながらも、懸命に食らいつき、将を進ませない。
その間に由紀は、車にたどり着き、中から鍵をかけた。
そして、直ぐに110番に電話をかけた。
「も、もしもし、け、警察ですか……は、早く来て下さい!」
しかし、警察はすぐには来れない。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。




