30話 思い出の地
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【悟の一目惚れ 30話】
小豆色の軽自動車は、今は海岸沿いを走っている。
やがて、目的地に着いた。
彼等が付き合う事になった場所、サンセットマリーナだ。
「ここに連れてきてくれたのね…」
「うん、今日でちょうど1年だし、ここかなって思ってさ」
「そうね…あの日のことは忘れられないわ…」
「僕もだよ」
(あの日…私は、悟を信じたいって思ってるのに、言葉に出せなくて…そうしたら悟が告白してくれたのよね…ガチガチに緊張してたけど…嬉しかったな)
由紀は、瞳を閉じてあの日の事を思い出し、自然と口角が上がり、微笑んでいた。
(色んな事を思ったけど、あの時は、由紀を守りたい気持ちが燃え上がって、半ば勢いで告白したけど、OKしてもらえてほんとに良かった)
(それに…その後のキスは…凄かった…)
悟も、当時の事を思い出しているが、少しだけ表情は嫌らしい。
「由紀、今日は時間があるんだったよね?」
「うん、遅くなっても大丈夫よ」
「じゃあ、今日はここで日没を見ようか?」
「そうね」
サンセットマリーナと言うだけあり、水平線に沈む夕日が、ここの見どころだった。
現在17:30頃で、日没は19:00頃だった。
悟と由紀は、ここで夕食を取り、日没が良く見える場所へ移動した。
そこはベンチと、高さが3メートル程の柱の上に暗めの外灯が灯っていた。
悟と由紀は、ベンチに隣り合って座った。
「けっこうまだ明るいね」
「うん、意外と暗くならないもんなんだね」
現在、18:30頃だが、まだ外灯が必要無いくらい明るかった。
「ちょっと暑いな…」
悟が、襟元を緩めてあおいだ。
「ほんとね…あら?」
由紀が、悟の方を振り向くと、ペンダントをしている事に気付いた。
見覚えるのある、青い石が付いたペンダントだった。
「着けてくれてるんだね、ペンダント」
「ん? うん、身も守る効果があるのなら身に着けておかないとね」
「ありがとう」
「僕の方こそありがとう」
その後、しばしの間2人共黙って海を見つめていた。
悟は、ふと横を向くと、由紀の横顔が見えた。
(相変わらず綺麗な顔…良い唇…)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。




