29話 エンジョイ・カラオケ2♪
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
【悟の一目惚れ 29話】
その人は、自分の部屋に消えた。
「お待たせ〜」
「ありがとう」
由紀がドリンクを注いで、部屋に戻ってきた。
「由紀、リクエストがあるんだけど、歌ってくれない?」
「えっ!? わ、私に!? う、歌えるかな…」
「由紀なら歌えるよ。ZORDの愛に疲れてもを歌って欲しいんだ」
「え、えぇ…その歌なら歌えるかも」
「愛に疲れても」は、はじめは緩やかな曲調だが、途中から激しい曲調に変化する曲で、原曲キーは+2だった。
由紀は、曲を入力し送信した。
画面に歌のタイトルの「愛に疲れても」が表示された。
(う、歌えるかな…)
由紀は、マイクを両手で持って立ち尽くしており、画面を真っ直ぐに見つめていた。
「肩の力を抜いて。由紀なら大丈夫だよ」
(悟…不思議ね、悟の声を聞くと落ち着く…)
由紀は、緊張がほぐれ、歌い始めた。
(良いなぁ。由紀の声はZORDに似てて癒やされる)
そして、歌い終わった。
悟は、拍手で迎えた。
「どうだったかな?」
「うん、良かったよ。ありがとう」
「良かった…」
由紀は、微笑んだ。
「じゃあ、今度は私がリクエストしても良い?」
「良いよ」
「ストームのMansterを歌って欲しいんだけど」
「分かった。キーを−2にしていい?」
「うん、良いよ」
「Manster」は、全体的にダークな曲調でありつつも、愛や想いを表現した曲だった。
悟は、「Manster」をキー−2に設定してから送信し、画面にタイトルが映し出された。
そして、歌い始めた。
(相変わらず、声量が凄いなぁ…)
(声が低めでオペラみたい…迫力があるなぁ)
悟は、素人離れした声量があり、低めの声を得意としていて、声を張るとオペラのようになる。
曲調に合わせて、声を張りつつも、張り過ぎにならないように注意しながら歌っていた。
そして、終わった。
パチパチパチパチパチパチ…
由紀も拍手で迎えた。
「やっぱり、悟って声量が凄いね。ストームのMansterとはまた違う魅力があるね」
「ありがとう。あれでも少し抑えてるんだよ」
「え? そうなの!」
「うん。目一杯だすと、声が独りよがりになるから曲調に合わせて歌ってるつもり」
「へぇ〜、そうなんだ…凄いね」
「いやぁ…」
悟は、また褒められて、後頭部に手を当てて照れている。
(あ、出た! 可愛い…)
由紀は、悟の仕草を見て微笑んだ。
(もっと見たいから、褒め殺しにしちゃおうかな?)
由紀の微笑みに、少しだけ意地悪さが現れた。
その後も、予約時間まで歌い、2人はカラオケ屋を後にした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。




