26話 時は流れ⋯
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
いよいよ、クライマックスに向けて物語が向かっていきます。
【悟の一目惚れ 26話】
時は流れて、現在、翌年の9月下旬である。
悟は、大学3年で20歳、由紀は、大学4年で21歳になっていた。
由紀の元彼である、将は、警察への相談後から由紀の前に現れていない。
由紀は、元彼騒動の後、暫くの間、落ち込んでいたが、悟、友人の支えと励ましもあり、立ち直った。
悟は、由紀の家まで、自分の車で迎えに来ていた。
悟は、アルバイトをしてお金を貯め、安い中古の軽自動車を購入していた。
車種は、ガイハツのシラジーノで、車の色は、小豆色だった。
由紀は、相変わらず忙しく、会えない日々が続いていたが、この日は、久し振りに会える日だった。
すぐに由紀は、家から出てきた。
(あれ? ショートヘアになってる…色も黒い)
この日の由紀は、黒髮のショートヘア、薄化粧に、紅色の口紅をつけていた。
トレードマークの眼鏡はそのままで、この日は茶色の縁の眼鏡をかけていた。
また、元々細身のスタイルで、小顔だったが、以前よりほんの少し痩せていて、また、ショートヘアにしたことで、顔の輪郭がクッキリとして、真っ白なうなじがあらわになり、以前より大人っぽい印象になっていた。
前に見たことのありそうな、水色のワンピースを着ていて、つばの広い白い帽子と、小さな黒いトートバッグを持っていた。
「お邪魔します」
「どうぞどうぞ」
由紀は、スカートの裾を持って、助手席に腰掛けた。
前に見たワンピースより、スカートの丈が少しだけ短い。
9月下旬で、今、11:00頃で外は暑いが、車内は、程よく冷房が効いていた。
「髪、切ったんだね」
「え? ええ、実習の時に邪魔だから切っちゃった」
「そうなんだ…黒髪にもしたの?」
「あ、あはは…染める時間が無くて自然と黒髪になっちゃった」
「そうなんだね」
「変かしら?」
「い、いやいや、そんな事全くございません」
「なぁに? その口調?」
由紀は、クスッと笑った。
「はは、僕にも分かんない」
悟も笑った。
「可愛い車ね」
「ありがとう、でも…」
「でも?」
「由紀も可愛いよ…」
「もぅ! 何言ってるの?」
由紀は、笑いながら悟の肩を軽くはたいた。
「ホントなのに…」
「はい、ありがとう。車を出して、運転手さん」
「はい、分かりました…」
悟は、車を出した。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。
悟のマイカーの「シラジーノ」がお気に入りです。




