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10話 エンジョイ・カラオケ♪

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

【悟の一目惚れ 10話】


 豊原の歌が始まった。

 歌は、46グループ(女性アイドルグループ)のものだった。


 (声高い…普段から少し高めの声だけど、歌になると更に上がるのか)


 多村は、自然と口角が上がった。

 彼は、作者と同じく女性の高い声が大好物なのだ。

 歌がサビにささしかかった。


 (裏声…綺麗だな…)


 この歌は、サビのクライマックスで、裏声が響く箇所がある。


 (キンキンに、やかましい裏声じゃなくて、静かに広がる感じというか…心地良い)


 豊原の歌声は、高めのトーンで透き通っていて、例えるなら...そうクリスタルボイスだ。


 (なるほど、この声にZORDは、ピッタリかも知れない)


 等と、多村は思いつつ、豊原の歌が終わった。


 シーン…


 静寂の間があった後、今は、カラオケ紹介の音が鳴っている。

 多村は、目を瞑って、仏像のように座っていた。


 (え? わ、私、下手だったのかな!?)

「ね、ねぇ…多村君…」 

「ん? どうした?」


 多村は、カッと目を開き、今から必殺技でも放ちそうな表情だ。


 (こ、怖いよ…)

「どうしたんだい?」


 急に多村は、優しい顔付きになり、いつもの雰囲気が漂い始めた。


 (百面相…)

 

 豊原は、コロコロ顔付きが変わる多村に、そんな印象を持ちつつ、切り出した。


「わ、私の歌、どうだったかな…?」

「うん。とっても…」

「とっても…?」

「素敵!」

「ほ、ほんと?」

「うん。もちろん」

「よ、良かったぁ…」


 豊原は、肩の力が抜け、ようやく安堵の表情を浮かべた。


「透き通った綺麗な声だね」

「そ、そうかな?」

「うん。さっきも言ったけど、ほんとに素敵」

「ありがとう〜!」

 (か、可愛すぎる…)


 豊原は、満面の笑みを浮かべた。


「豊原さんの声に、ZORDは合うと思うよ」

「ほんと? 嬉しい〜!」

 (や、ヤバい…これほど可愛い人がいるなんて…)


 豊原は、先程よりも更に、眩しい満面の笑みを浮かべた。


「まさか、そんな風に言ってもらえるなんて思わなかった」

「なんで?」

「だって、多村君、歌い終わった後、怖〜い顔をしてたもの」

「え!? そうなの?」


 多村は、眉毛が上がり、目を真ん丸くし、クリビツギョウテンイタオドローの表情を浮かべた。


「うん」


 豊原は、クスッと微笑し、半笑いの表情で答えた。


「そ、そうなのか…」

「うん。そうよ」


 豊原は、目尻が下がった、優しい顔付きで微笑んだ。


「いや、僕は聴き入ってただけなんだけど...」

「そうなの!?」


 今度は、豊原が真ん丸くし、驚いた。

 元々、パッチリとした、大きな瞳だが、更に大きく開いた。


「うん」

「へぇ〜、そうなんだ」

「うん、真剣に聴き入ってたんだと思うよ」

「へぇ〜、そうなんだね」

「うん」

「じゃあさ、私の歌がそんなに魅力的だったって事よね?」


 豊原は、ちょっぴり意地悪な笑顔を浮かべた。


「ま、そういう事になるかな」


 多村も、意地悪な笑顔を返した。


「フフ…」

「ハハ…」

「アハハッ!!」


 2人の笑い声が、狭いカラオケルームに響き渡った。

 その後も2人のカラオケは続き…


 (よし、そろそろ喉も暖まってきたかな? 頃合いか)


 多村は、ZORDの歌を送信した。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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